🔹前半の曲:
エドワード・マクダウェル
炉端のお話Op.61より
第1番 古い恋物語
第2番 ブレア・ラビット
ピアノ:伊集院紀子さん Noriko Ijuin, piano
Fireside Tales, Op. 61
No. 1: An Old Love Story
No. 2: Of Br'er Rabbit
本日ご紹介する炉端のお話Op.61は、1902年に書かれたもので、マクダウェルの小品の中でもとても優れた物という位置づけになる作品です。2分程度の小品6曲からなる曲集です。
♪ 第1番 古い恋物語
田舎の甘酸っぱいロマンスを思い出しているようなのどかな優しいメロディーに細かくハーモニーの陰影がつけられていて、淡い渋みを醸し出しています。
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♪2番 ブレア・ラビット
ジョーエル・チャンドラー・ハリスの作品で、「リーマスおじさん」が語る物語集に登場する架空のうさぎ名前です。うさぎのユーモラスで、すばしっこい姿が想像でき、楽器によって色々な雰囲気を楽しめる作品です。ちなみにこのブレアというのはアメリカ南部の方言で、プラザー(兄弟)を意味し、親しみを込めた呼び方に使われています。
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🔹後半の曲:
エドワード・マクダウェル
炉端のお話Op.61より、
第4番 サラマンダー
ピアノ:伊集院紀子さん Noriko Ijuin, piano
Fireside Tales, Op. 61
No. 4: Of Salamanders
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♪ 炉端のお話Op.61より、
第4番サラマンダー
英語のサラマンダーにはサンショウオだけでなく両生類という意味も含まれ、イモリの動きに近い生物を想像させる動きや怪しさのある作品です。ちなみにイモリは、ぬるっとした皮膚や冷たい体温から、火の中に入れてもすぐには焼け死なないという伝説のようなものが信じられていた時代があったようで、そこから火の精霊を描く際はイモリのような姿が定番になったようです。ミステリアスで、火の熱感よりも、むしろひんやりとした秘密めいた空気を感じさせる作品です。メロディーラインは話し言葉のように自由で不規則で、それを重い和音が支えほの暗さを演出しています。
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🔹エンディングは~
CD『ウクライナのピアノ作品集』(榎本智史さん、伊集院紀子さん、佐々木理之さん)より
ヴィクトル・コセンコ作曲
3つのピアノ小品 Op.9 より
第2番 マズルカ
Viktor Stepanovych Kosenko
3 Klavierstücke, Op. 9
No.2 Mazurka