
『ピアノ・グラニテ』は、ピアニスト・伊集院紀子さんが、演奏機会の少ない名曲や作曲家をご紹介するコーナーです。伊集院紀子さんによる演奏もお楽しみください。今週ご紹介いただいたのは、ウクライナの作曲家で2020年に亡くなった、ミロスラフ・スコリク。そして、番組でも度々ご紹介いしている、20世紀のブルガリアの作曲家の中で最も偉大な作曲家と評され、多くの著名な演奏家に愛されたパンチョ・ヴラディゲロフです。
= = =
<ミロスラフ・スコリク >
Мирослав Михайлович Скорик (ウクライナ語) 1938 - 2020
Myroslav Myxajlovyč Skoryk
1938年、ウクライナのリヴィウで生まれる。1945年にリヴィウの音楽学校で学ぶ。1947年に政治的弾圧によりシベリアに強制送還される。スターリンの死後、リヴィウに戻ることが許され、当時のリヴィウ国立リセンコ音楽院で学ぶ。リセンコはコセンコの先輩にあたる作曲家。その後モスクワでカバレフスキーに作曲を学ぶ。1963年からはいくつかの音楽院で音楽理論や作曲を教え、数多くの著名な作曲家を指導した。作品は、ウクライナはもちろん、ヨーロッパ各地、そしてアメリカ、カナダ、オーストラリアなどで定期的に演奏され、指揮者、ピアニストとして自身の作品を自演する機会も多かった。
音楽学の博士号も取得しており、著書は数々の賞を受賞。
= = =
<パンチョ・ヴラディゲロフ>
Pancho Haralanov Vladigerov 1899 – 1978
1899年、スイスのチューリッヒで生まれる。幼少期は、ブルガリアのシューメンで過ごす。その後ベルリンで音楽を学び、ベルリンの劇場の音楽監督になったが、ブルガリアに戻ることを決意。1940年にはブルガリア国立音楽院のピアノ科の教授に就任。ブルガリア現代音楽協会の創立メンバーとして活躍。ヨーロッパの普遍的な鍵盤楽器のスタイルにブルガリアの民族的イントネーションやリズムを融合させ、独自の世界観を生み出し、多くの曲を作曲した。
= = =
番組へのメッセージ、リクエスト、フルートのご質問などもお待ちしております!
↓
ピアニスト:伊集院紀子さん