
伊集院紀子さんが弾いて下さったピアノは、1887年製のニューヨーク・スタインウェイのローズウッドです。カーネギーホールやメトロポリタンホール創立当時より1925年まで、貸出用のコンサートピアノとして活躍していた楽器です。 その後日本にわたり、ある時期キャピトル東急ホテルに所蔵されていました。そして1986年、ホロヴィッツが2度目に来日した際、このホテルに滞在し、実際にこのピアノを弾いて絶賛したという記録が残っています。曲によってさまざまに変わる表情、豊かな倍音、弱音の表現力など、ロマンティシズムとエンターテインメントが共存した時代の深い味わいは今のピアノでは決して表現できないだろうと言われています。 (説明:タカギクラヴィア)