2022年4月13日

【第289回】松重豊×平山秀幸

俳優の松重豊がマスターをつとめる
FMヨコハマ「深夜の音楽食堂」

今夜は松重マスターも出演する
映画『ツユクサ』の平山秀幸監督がご来店！

＜Profile＞
1950年生まれ、福岡県北九州市出身。
1990年『マリアの胃袋』で監督デビュー。
1992年の『ザ・中学教師』で
日本映画監督協会新人賞を受賞したのち
『学校の怪談』シリーズが大ヒット。

1998年の映画『愛を乞うひと』では
モントリオール世界映画祭国際批評家連盟賞を
日本アカデミー賞では最優秀作品賞
最優秀監督賞を獲得するなど
国内外で高く評価されている
日本映画界を代表する監督。

近年も『閉鎖病棟-それぞれの朝-』で
日本アカデミー賞の優秀監督賞と
優秀脚本賞を受賞。

2016年には全作品インタビュー集
『呑むか撮るか　平山秀幸映画屋街道』も出版。

松重マスターが出演された作品には…
映画「レディ・ジョーカー」
「しゃべれどもしゃべれども」
「やじきた道中てれすこ」
ドラマ「ヒトリシズカ」「黒い看護婦」etc…

そして4月29日（金・祝）には
新作映画『ツユクサ』が公開！

平山監督と脚本家の安部照雄さんが
10年以上あたためてきた人生讃歌の物語。

主演は小林聡美さん。
松重さんはツユクサを吹く謎の男
「篠田吾郎」として出演しています。

＊映画『ツユクサ』オフィシャルサイト

♪ Today's ON AIR ♪

1. 星影の小径 / ちあきなおみ

1985年リリースのナンバー♪
平山監督のデビュー作「マリアの胃袋」主題歌。

平山秀幸監督
「自分は映画ファンで
映画の現場にいない頃は
いい曲がいっぱい映画の中に流れる
“アメリカングラフティ”とかを観て
自分が監督になったときには
（星影の小径のような）曲が聞きたいなと
思っていたんですよね。
だから、この曲を何とか使えるように
してほしいとプロデューサーにお願いをして
当時の映画評でも
“この映画は面白くないけど曲だけはいい”
と変な褒められ方をしたりしました。」

2.Head Over Heels / Monolithic

先月リリースされたナンバー♪

お話いろいろ…

◆映画の現場が好き

◆ラジオDJになりたかった？

◆監督になるまで…

平山秀幸監督
「助監督を長くやっていれば
監督になれるという方程式はないわけです。
今でも本当に50代の助監督さんや
演出もいらっしゃいますし。
様々だとは思うんですけれども。」

松重マスター
「“監督”って言ったって
年に何本もとれるわけではないですし。」

平山秀幸監督
「全然とれないですね。
ほかのときに何をしているかっていったら
ほとんど失業者ですからね。」

松重マスター
「日本においての監督は、過酷な環境に
置かれている方が多いなと思います。
助監督さんは、数ができると
それだけちゃんとした収入を
得ることができることも
あるんでしょうけども。」

平山秀幸監督
「だから、その“助”って一体何だろう？
っていうことなんですよね。」

松重マスター
「“チーフ”って言ったり
“セカンド”って言ったり…」

平山秀幸監督
「セカンドが、衣装や小道具、現場のカメラ周り。
サードが、衣装など（撮影）の準備。
フォースが、カチンコ…」

松重マスター
「そしてフィフスと…」

平山秀幸監督
「僕がスタートしたのはその下でしたから。
監督さんに会いに行ったとき
僕は知識を聞いてほしい、でも
そんなもの何も必要なくて
運転免許を持っているか？
じゃあ、明日からトラック運転しろ。みたいな
それがスタートでしたから。」

松重マスター
「そういう若いスタッフさんとかに
僕が現場で、”ここのシーンこうやったら
面白くなると思うんだけどどう？”って聞くと
すごく返してくる人がいるじゃないですか。
あ、こいつ伸びるなと思うんです。
本当に映画好きなんだなと思って。
今は口をチャックしているだけで
映画のことを語らせると
すごいんだろうなって
思う人がいっぱいいました。」

平山秀幸監督
「そういう人たちが、きっとやっぱり
監督になっていくと思うんですよね。
そこまで熱い方は。
仕事としてやるというだけでは
そのエネルギーって保たない。
まず、金銭的に大変ですから。
だからやっぱり（映画が）好きという…
そういう時代でしたね。」