花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。
武居>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか。
内藤>今日は、今ちょうど市場でも存在感を放っているパンパスグラスのお話です。
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武居>カフェとかアパレルショップとかに置いてありますし結婚式な度でも見かけますよね。
内藤>そうです。8月くらいになると、結婚式場などでもよく見かけるようになりました。
武居>パンパスグラスがあると、一気に秋っぽくなりますよね。
内藤>そうなんです。ところが武居さん、あの優雅なパンパスグラス、実はちょっと怖い植物でもあるんですよ。
武居>怖い?見た目はふわふわして柔らかそうなのにですか?
内藤>はい。学名をCortaderia selloanaというんですが、この「コルタデリア」という名前はスペイン語の「切るもの」「人を切る草」という言葉に由来しているんです。
武居>人を切る草!?あのフワフワ、もふもふとした穂からは想像できない名前ですね。
内藤>ですよね。でも、葉っぱを注意深く見るとわかるのですが、葉の縁に細かくて鋭いギザギザがあって、まるでノコギリなんです。
武居>えっ、ノコギリ?確かに植物の中でもグラス系の葉は、横に小さなギザギザがあったりして、危ない感じがありますが、その葉が大きくなって、ノコギリのように鋭くなっているということですね。
内藤>はい。油断して葉をつかんだり、株の中に入ったりすると、手や腕を切ってしまうことがあります。大きな株になると、顔を傷つけることもあるので注意が必要です。
武居>そんなに危険なんですか!
内藤>はい。神代植物公園にも、高さ3メートルくらいのとても大きなパンパスグラスの株があるのですが、そこには立ち入り禁止のロープが張られています。これは植物を守る意味もあると思いますが、同時に人を守るためでもあるのではないかと思います。
武居>私その前で写真を撮ったことがあるんですけど、ロープが張られてました。たしかにタネ小さなお子さんが、ボールがコロコロとその葉の中転がって行ってしまって、気づかずに入り込んだら危険ですしね。では、そもそも「パンパス」ってどんな意味なんですか?
内藤>パンパスという言葉自体は、アルゼンチンやウルグアイ、ブラジル南部などに広がる大草原地帯を指します。
そこに自生するグラス、つまりイネ科の植物だから、パンパスグラスといいます。パンパスグラスはススキをものすごくゴージャスにしたような植物です。大きな花穂がフワッと広がって、銀白色に輝くんですよ。
武居>だから、秋のインテリアに人気なんですね。でもそんなに危険な葉があるのに、生産者さんはどうやってその銀白の穂を切り出すのですか。
内藤>よくぞ聞いてくださいました。パンパスグラスの収穫は、7月から9月頃。
武居>一番暑い時期ですね。
内藤>はい。ところが生産者さんは、特に大きい株まで成長したパンパスグラスから穂を切り出す場合は、人の背丈よりも高くなった、まるで「パンパスノコギリの森」のような株の中に入って収穫する必要があります。
武居>怖いですね..!
内藤>そう、とても危険!ですから、厚手のカッパのようなものを着て、頭や顔も養蜂場の人が被るようなものを株り保護して、完全防備で入ったりします。
武居>真夏にその完全防備とは、熱中症との闘いですね。そんなに大変な思いをしてパンパスを切っていらっしゃるなんて、知りませんでした。
内藤>そうなんです。葉っぱで切られないようにするだけでも大変なのに、株の中には蜂やヘビが出てくることもあるそうです。さらに、出荷前にもひと手間あります。フレッシュのパンパスグラスは、まだ穂が開いていない状態で収穫されるものがあるんですが、外側の「さや」を一本ずつナイフなどで剥いて、花穂を出していきます。
武居>一本ずつ!?
内藤>そうして出荷されたものを花瓶に飾っておくと、少しずつ穂が開いて、ふわふわになっていくんです。
武居>西洋版のススキと思いきや、生産者さんにとってはとても重労働なんですね。これを向いた後に、水から出しておけば、自然にふわふわのドライになって、何年も楽しむことができるんですよね?
内藤>そうです。生産者さんのところでドライになったものが出荷されることもあれば、フレッシュで買って、おうちでドライにすることもできます。いずれにしても何年も長い間楽しんでいただけます。
武居>ということで今日は「パンパスグラス」をご紹介いただきました。内藤さん、ありがとうございました。
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