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NITTEN ハナラボ 第279回「 毒を持ち、動物に食べられにくい植物 」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。


武居>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか。

内藤>実は先日、横浜に住む友人からちょっと変わった相談を受けまして・・・

武居>どんな内容ですか?

内藤>その方の奥様が、実家のある千葉県の勝浦で家庭菜園をされているのですが、野生のキョンが頻繁に畑を荒らしに来て、困っているそうなんです。

武居>キョンって、シカの仲間ですよね。見た目はかわいいけど、繁殖力が高くて、農作物への被害が問題になっていますよね。

内藤>そうなんです。特に千葉県で爆発的に繁殖しているみたいなんですよ。台湾とか中国南東部生まれなのですが、以前勝浦にあった観光施設から、台風でフェンスが壊れたり、施設の老朽化によって逃げ出した個体が野生化して、2023年には約8万6,000頭にも増えてしまったようなのです。

武居>なるほど、それは深刻ですね。

内藤>キョンが、植えたばかりのパンジーやチューリップ、ブロッコリーなど軒並み食べられて、茎だけの無残な姿になってしまったと嘆いていらっしゃいました。

武居>それは大変ですね…。対策はされているのでしょうか。

内藤>ネット柵を作ったりはしているそうなのですが・・・なかなか防ぎきれず・・・ところが、スイセンは無事だったのだそうです。

武居>あ、なるほど、スイセンは有毒成分を含みますからね。動物も本能的に避けることが多いのでしょうね。

内藤>私もそうかなと思い、友人に「毒があるからな~・・・」と話したら、「じゃあ他にも毒がある植物を教えて」となりまして、いくつか紹介したんですよ。

武居>興味深いですね。どんな植物を紹介したのですか?

内藤>絶対に食べられないとは言い切れませんが、比較的毒性が強いものとして、スイセンのほかにグロリオサ、イヌサフラン、トリカブトなどを挙げました。

武居>畑で咲いたらいずれも華やかで目を引きそうですね。

内藤>そうなんです。そのほか、事情が許せば、アジサイやキョウチクトウのような木も全草に毒を持つ植物としてありかもしれません。キョウチクトウは常緑で目隠しにもなりますし、景観的にも優秀です。でも、どんなに毒が強い植物だったとしても、畑全体の食害を防ぐのは難しいんですよね。 

武居>その植物が食べられないというだけですもんね。

内藤>結局は、毒のある植物を避けて、結局は隣にあるおいしい野菜を食べてしまうんじゃないかと思います。

武居>今日ご紹介いただいた植物は、「比較的食べられにくいもの」という理解がよさそうですね。

内藤>はい。ただし、ここで気を付けなければならないことがありまして、動物ではなく、それらを人が間違って食べてしまう事故がよくあるということです。

武居>このコーナーでも以前紹介したことがありましたね。

内藤>はい。今年になってからギョウジャニンニクと間違えてイヌサフランを、山芋と間違えてグロリオサを、ニリンソウと間違えてトリカブトを食べてしまう、といった深刻な事故が報告されています。

武居>本当に気をつけないとですね。

内藤>はい。今回、「毒のある植物を植えたい」という相談は初めてでしたが、それだけ獣害被害が切実だということを思いました。簡単には解決できない問題ですが、現状を知ることも大切かと思います。

武居>ということで今日は「毒を持ち、動物に食べられにくい植物」をご紹介いただきました。内藤さん、ありがとうございました。

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