花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。
武居>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか。
内藤>5月が旬のお花をご紹介します!これまでシャクヤクやバラなど、大きく華やかな花を取り上げることが多かったんですが、今回はちょっと趣向を変えて、とても小さな花をご紹介いたします。
武居>5月が旬で、とても小さい花?気になりますね…!なんてお花でしょうか?
内藤>「アルケミラ」って聞いたことありますか?
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武居>ああ、以前このコーナーでも出てきましたよね。黄緑色の小さな花が、ふわっと集まっている花。
内藤>そうです。ヨーロッパ東部、コーカサス原産で、ナチュラルな雰囲気のガーデン、いわゆるイングリッシュガーデンでも人気の植物です。もしかしたらガーデニング素材としてご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
武居>切花でも流通があるんですよね。今がちょうど旬ですか?
内藤>はい。4〜7月くらいまで旬を迎える花で、ブーケやアレンジメントではよく使われるんです。
武居>花ひとつひとつがとても小さいですよね。
内藤>そうなんです。これが特徴で、なんと花に見える黄緑色の部分は、実は花ではないんです。
武居>えっ、花じゃないんですか?
内藤>正確には「ガク」なんです。本来の花はもう終わって、ガクだけが残った状態なんです。
武居>ガクなんですね!確かにイチゴのヘタっぽい感じがありますよね。
内藤>そうなんです。そのガクすら小さすぎてもう見えないので、マイクロスコープで拡大した写真を・・・
武居>わー、なんだか星っぽいですね。星っぽいけど、五角形ではなくて、よく見ると八角形?肉眼で見ると星形にも見えますが・・・
内藤>はい。ガクが八角形になっている珍しい構造になっています。この1つ3mm程度の小さな1輪がたくさん集まり、花を構成しているんです。
武居>これがかわいい秘密ですね。「アルケミラ」という名前はどこからきているんでしょうか?
内藤>アルケミラという名前は、アラビア語のalkemelych、さらに元をたどるとラテン語の錬金術(alchemia)に由来といいます。
武居>英語でも錬金術のことをalchemy(アルケミー)といいますから、錬金術から派生したアルケミラなんですね。でもなぜ錬金術?
内藤>アルケミラの語源となったアラビア語の「Alkemelych」には「錬金術」のほかに、「小さな魔法的なもの」という意味があるらしく、この植物の葉に溜まる水滴がダイヤモンドのように輝き、不思議な力(錬金術)を宿す水として、中世の賢者の石の材料に用いられた、という伝承が由来なのだそうです。
武居>そう聞くと、急にアルケミラの見え方が違ってきますね。
内藤>ありがとうございます。さらに紹介しますと、中世ヨーロッパでは、葉にはタンニンが含まれているため、収斂作用と止血作用がある薬草として利用されたり、女性特有の体調不順を整えるためのハーブティーとしても内服されたと伝わっています。
武居>ということで、今日は「5月が旬の小さなお花、アルケミラ」をご紹介いただきました。内藤さん、ありがとうございました
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