花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。
武居>内藤さん、今年も残すところあと3日!この番組も2025年は今日が最後となりました。最後のハナラボのトピックスは?
内藤>はい、もう皆さん準備完了でしょうか。お正月飾りについてです。早速ですが、何かお気に入りの正月飾りのデザインとかありますか?
武居>私のマネージャーのお父様が門松の職人さんをされていて!この間、展示を見に行ったんですけど…前衛的な門松でとっても素敵だったんです!!飾りだと…しめ縄の素朴な感じが惹かれます!
内藤>もう飾ってある方については何の心配もありませんが、お正月は、新しい一年の始まりを祝い、幸運や健康、豊作をもたらすとされる「年神様」をお迎えする、日本の大切な伝統行事です。年神様は祖先の霊とも結びつき、古代から日本人の暮らしに深く根付いています。その年神様をお迎えする際に欠かせないのが、「正月飾り」なのですが!まだ飾っていない方は、ぜひ今日には飾っていただきたいのです!
武居>今日も残すところあと10時間くらいですが、今日中にということですね。
内藤>そうです。門松や注連飾りには、それぞれ意味や願いが込められています。年の瀬には家を清めてから飾り付けを行い、年神様を迎える準備を整える。これは「新しい年をともに生きる力をいただく」祈りのかたちでもあります。
武居>注連飾りって、どんな意味があるんですか?
内藤>注連飾りは、不浄を払い清めるもので、年神様を迎えるにふさわしい場所であることを示す印です。「注連(しめ)」という言葉は、「神が宿る場所を示す標」に由来します。『古事記』には、天照大神が天の岩戸に隠れないように縄を張ったという伝説もあり、そこから「注連縄」という名称になったといわれます。注連縄、注連飾りは不浄と神聖の境を示す「結界」としての役割を持っています。玄関ドアの高い位置に飾るのが一般的です。最近はスーパーで手軽に買えるものから、フローリストが手作りしたデザイン性の高いものまで多様に揃っています。
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武居>なるほど。では門松はどういう意味があるんですか?
内藤>門松は、年神様が迷わず降臨するための目印、つまり「依り代(よりしろ)」です。黒松を使い、竹を組み合わせるのが一般的です。松は常緑樹で枯れず、神の依り代として古くから尊ばれ、竹も同じく神聖なものとされてきました。
奈良時代から門に植物を飾る習慣があり、平安時代末期から松が使われるようになり、江戸時代には左右一対で飾るのが定着しました。
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武居>門松と注連飾りは両方飾っていいものなんですか?
内藤>どちらかでも構いませんが、意味が異なるため、両方を飾るのが本来の形です。門松は年神様を導く目印、注連飾りは不浄と神聖の境を示すものなので、理想的には門松を目印に降臨していただき、注連飾りで家の中にお迎えし、幸せいっぱいの1年にしたいものです。
武居>飾る時期や片付け方も気になりますね。
内藤>飾る時期は、12月13日の「正月事始め」から12月30日までが適期です。でも29日は「二重の苦」、31日は「一夜飾り」とされ、前日に慌ただしく飾るのは避けます。30日でもいいのですが、できれば今日までにできるといいですね。
武居>なるほど、だからぜひ今日飾ってくださいということなんですね。でもいつまで飾っておけばいいか・・・
内藤>片付けは、1月7日とされています。正月飾りは年神様の依り代なので、取り外したものは使い回さず処分しましょう。新しいものを用意するのがよいとされています。
武居>お飾りとともに、年神様が家族の幸せを見守ってくださるんですね。
内藤>はい。お正月飾りは、家族の一年の幸福を祈る、日本の美しい伝統といえます。皆さんどうぞ良いお年をお迎えください。2025年もハナラボを聴いてくださってありがとうございました!
武居>皆さんもぜひ、準備を整えて新年を迎えてくださいね。ということで今日は「お正月飾り」についてご紹介いただきました。内藤さん、本年も毎週素敵なお花のお話、ありがとうございました!
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