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NITTEN ハナラボ 第248回「 旬の花・ダリア 」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。


武居>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか。

内藤>旬の花・ダリアについて、お話したいと思います!

武居>ちょうど今が旬ですよね。

内藤>旬ですね。もう今は1年中流通しているので、本来の旬はいつかわからなくなりそうですが、
そもそもは10月から11月上旬くらいまでが旬で、本来のシーズンを楽しむには、そろそろ終盤に入るころです。

武居>なるほど!ダリアの種類も増えてきて馴染み深いお花になってきてますよね!

内藤>そうですね!普通は、花をご利用になりますよね。でも原産地のメキシコではもともと食用だったってご存知ですか?

武居>え?ダリアの花を食べていたんですか?

内藤>花というよりも、その根がサツマイモみたいな塊になっていて、インカ帝国の時代、その根が食用とされていました。

武居>そうなんですか!おいしいのかな・・・?

内藤>私は食べたことがないのですが、食べた知り合いに聞いてみたら「ジャガイモに似ているけれども、ジャガイモほどおいしくなく、繊維質が強すぎて、“おいしくないね”」って言っていました。

武居>いつから観賞用になったのでしょう。

内藤>主に観賞用として用いられるようになったのは、世界を航海していたスペイン人がダリアを見つけて1789年にヨーロッパに紹介した時なんです。

武居>やはり最初は食べ物として紹介されたんですかね。

内藤>そうなんです。でも、ヨーロッパでは“食用には不向き”とされるまでに時間はかからず、
華やかな花が観賞用として広まっていき、あっという間に人気の花になります。

武居>ちなみに日本にはどのように伝わったのですか。

内藤>諸説ありますが、江戸時代の1842年ころにオランダ船によって長崎にもたらされたといわれます。
人気が出たのは1860年(明治7年)以降。横浜に来たイギリス人によって改めて輸入され、
国内で広まっていったようです。でもその時は、切花というよりもお庭の花として楽しまれていたんですよ。

武居>たしかにお庭とか公園の花のイメージがあるかも。切花としてはいつから人気が出たのですか。

内藤>これがまたダリアの長い歴史の中では比較的最近なんです。切花としてはちょっと日持ちが物足りないとか、
茎が太すぎて束ねにくいとかいろいろな課題があって、切花としてメジャーデビューしたのは、2005年くらいからなんです。

武居>ということは、平成になって?ほかのバラとかカーネーションなど主役級の花と比べると、つい最近な感じがしますね。きっかけがあったのですか。

内藤>そうなんです。火付け役は「黒蝶(こくちょう)」という品種です。それまで見たこともないような赤黒い色をしていて、花の直径が15cm以上もある大輪の花姿には、吸い込まれそうになるほどです。この花が切花としてデビューしたことで、一気にダリアに注目が集まったのです。

武居>黒蝶って色を見ると、大人の色気があってどんなシーンでも映えそうですね。

内藤>みんなが注目するようになったので、日持ちとか、花弁の傷つきやすさなども少しずつ改善されていきました。
切花マーケット全体がこの赤黒いダリアに合わせて品種開発を行うなど、ダリアブームばかりでなく、色のブームと大輪のブームなど、さまざまなムーブメントを引き起こしました。花の歴史の中でも一大ヒット商品に挙げられ、マーケットを驚かせた平成モンスターといえます。

武居>それは切花の産業史に残るほどですね。いまいろいろな品種がありますが、今でも黒蝶は人気なんですか?

内藤>はい。いまでも人気で、常にダリアの中で流通量トップ3に入っています。

武居>最近、直径10くらいのそんなに大きすぎない、明るい色で自宅にも飾りやすいタイプをよく見かけますね。

内藤>そうなんです。結婚式などのハレの日ばかりでなく、ご自宅用に合う品種もたくさん誕生して、今1年間で250種類くらい流通します。

武居>ということで、今日は「旬の花・ダリア」をご紹介いただきました。
内藤さん、ありがとうございました。

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