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NITTEN ハナラボ 第252回「 クラシック音楽と植物のつながり 」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。


武居>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか。

内藤>先週は11月24日「オペラの日」に合わせて、花とオペラの関係、そして『椿姫』のお話をしましたね。

武居>すっかり芸術の秋といった感じですね!

内藤>先週は1曲しかご紹介できなかったので(笑)、今日は“芸術の秋”にちなみ、「クラシック音楽と植物のつながり」に注目してみたいと思います。1曲目は、「野ばら」です。


武居>どんな曲でしたっけ…??

内藤>私たちがよく知る「野ばら」は、ドイツの詩人ゲーテにシューベルトが曲をつけたものです。男の子が野ばらを摘もうとして棘に刺されるという、ちょっと切ない歌です。美しいけれど、触れれば痛みをもたらすという、恋の比喩のようでもあります。

武居>曲調はそんなに切ない感じではないですけど、歌詞の意味を知るとこの時期に心がキュッとなるような感じがしますよね。

内藤>日本語で「くれないにおう、野中のばら」と訳されているので、赤いバラのことなのですが、この時期花市場でも「ノバラ」がとってもおすすめなんです。

武居>でも今流通する「ノバラ」って花ではありませんよね??

内藤>はい、その通り。花ではなく、この時期市場で「ノバラ」といったら、「ノバラの実」のことなんです。ノバラの実は、8月ころはグリーンで秋が深まるにつれて、オレンジから赤色に変わって、とても素敵です。赤くなったノバラは、それだけで飾っても年末の雰囲気になりますし、リースに使うこともあります。

武居>私はずっとトイレの窓のところにずっと飾ってます!

内藤>そのままドライになるので、水ナシの花瓶に挿すだけでも季節感が出ますし、キッチンカウンターに横置きしたりしてすごく便利なのでおすすめです。野ばらの歌にあるようなトゲはあまり気になりません。

武居>とげがないのはポイントですね。

内藤>続いてはイタリアの作曲家、レスピーギの「ローマの松」です。ローマの4つの場所にある松を描いた4楽章からなる交響詩です。

武居>まさに植物が主役の音楽なのですね。

内藤>そうなんです。イタリアの歴史や風物詩を題材とした曲で、クラシック音楽が好きな方であれば、ご存知かもしれません。松並木のざわめきや、歴史ある街並みの中にそびえる松の姿が描かれていて、聴いているとその情景が目に浮かぶようです。まもなく大田市場でも「松の特別市」が開催されますので、これからお正月に向けて、松を購入する人もいらっしゃると思います。

武居>音楽で描かれた松の風景を思い浮かべながら年末の松を選ぶのも、ちょっと粋ですよね。

内藤>はい。最後はフィンランドの作曲家、シベリウスのピアノ曲「樹の組曲」。「白樺」「松」「モミの木」「ナナカマド」など、北欧らしい木々の個性を音で表現した作品です。

武居>樹の組曲!?植物を音で描くなんて、素敵ですね!

内藤>ですよね。シベリウスといえば『フィンランディア』が有名ですが、フィンランディアは厳しい冬を越えて自由を求めるフィンランドの人の魂を描いた交響詩です。「樹の組曲」では、人々の心が「自然」とつながる静かな美しさを感じます。

武居>ということで今日は「クラシック音楽と植物のつながり」についてご紹介いただきました。内藤さん、ありがとうございました。

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