
花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。
武居>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか。
内藤>オーストラリア原産の植物、オージープランツって、武居さん、お好きですか。
日本がこれから秋冬に向かう今の時期、南半球のオーストラリアでは、春を迎えるときで、花開く時ですよね。
南半球では春なのですが、不思議とその質感が日本の秋のテイストと合うので、
日本の秋のマーケットに上手に参入しているんですよね。
武居>今日はそのオージープランツをご紹介いただけるわけですね。
内藤>はい。3つご紹介いたします。一つ目は・・・カンガルーポーです。
武居>ユニークな植物ですよね。
内藤>西オーストラリア原産の植物で、その名前にもオーストラリアらしさが出てきますよね。
武居>「カンガルーの足」っていう意味なんですよね。
内藤>そうなんです。オーストラリア原産なのですが、今は南アフリカとかケニア、
ジンバブエなどで生産されて出荷されていますし、人気の花なので、
最近は日本国内でも生産されるようになって、4~6月には国産も流通するようになりました。
神奈川県から、なんと1メートルくらいの大きく立派なカンガルーポーが出荷されるんですよ。
これは輸入ではなかなかない大きさです。
武居>すごい、オージープランツが、ココ神奈川県から生産出荷されているんですね。
内藤>はい。色も日本人の好みに合ったグリーンとか中間色系のカンガルーポーが出荷されていて、
今とても注目されているんです。品種名もエアーズロックという名前がついていたりして、
神奈川県産でありながらまるでオージーですよね。
武居>色も相まって、本当にカンガルーのようですよね。
内藤>ですね。質感も茶色系でケバケバしていますし、そこからシベがぴょこんと5-6本出ているのですが、
それがちょうど指のようでまるでカンガルーですよね。
武居>ほんとユニークな植物ですよね~!では、2つ目はどんな植物でしょうか?
内藤>ワックスフラワーです。
小輪ながら、花付きもいいですし、切り花、鉢物として人気なんです。
最近は染めとか八重も流通しているのでお勧めです。
武居>染めの色がすごい綺麗ですね!ブルーなど鮮やかで綺麗!
では最後、3つ目はどんな植物でしょうか?
内藤>だいぶディープにいきますよ。バンクシアです。
武居>バンクシア!
内藤>これはお勧め。もし、バンクシアを置いている生花店さんがあったら、私も一気にファンになってしまいます。
武居>バンクシア推しのポイントは何ですか?
内藤>その1、存在感が大きくて、1本あるだけでその空間がめちゃくちゃカッコよくなる。
その2、日持ちがいいし、そのままドライにもなるし、
何なら秋からクリスマス用のスワッグなんかにも使える。
その3、オーストラリアらしさがにじみ出ている。例えば南アフリカを象徴する花がキングプロテアとすれば、
オーストラリアは対抗バンクシアみたいな、代表選手的なカッコよさがあるところかなと思います。
しかもこの植物のすごいところは、山火事に遭遇することによってタネを飛ばして、
子孫を残すという生き残り戦略を取った植物だということです。
武居>それは驚きの性質ですね。オーストラリアって山火事が多いですよね。その現象を逆手に取ったということ?
内藤>はい、バンクシアの多くのタネは、木質の堅い果実に閉じ込められていて、
その果実は火の熱や強い乾燥を受けると割れてタネを放出します。
すべてのバンクシアが山火事依存型ではないのですが、
なかなか日本にはない不思議な性質を持った植物ですよね。
このタネを飛ばしたあとのバンクシアが市場に流通することもあります。
武居>フレッシュのバンクシアもそのままドライにもなるし、お部屋にあったらかっこいいですよね。
武居>ということで、今日は「オーストラリア原産の植物、オージープランツ」をご紹介いただきました。
内藤さん、ありがとうございました。
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