
花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。
武居>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか。
内藤>8月に入り、毎日暑い日が続いていますよね。この暑さで、お花を飾ることを敬遠している方も、もしかしたらいるかもしれません。
武居>暑いですね〜。たしかに、お花屋さんで500円で買った花でも、3〜4日でくたッと元気がなくなってしまうと、冬場に10日〜2週間持つのと比べると、500円の価値が違うな〜と思ってしまい、このシーズンはどうしても切り花を敬遠したくなってしまいますよね。
内藤>そうですよね。そんな風に思われる方もいらっしゃると思い、今日はこのギラギラに暑い時期でも、損した気分にならない、飾って安心な花をご紹介したいと思います。
武居>この暑い中でも、間違いなく楽しめる切り花を紹介してくれるんですね!お願いします。
内藤>はい。一つ目は、ハイブリッドスターチスです!
武居>ハイブリッドスターチス!おしゃれな感じで、若い人にも人気の花ですよね。最近だと、いろんな色がありますよね。
内藤>はい。最近は、サーモンピンクやベージュのような色が人気です。この、色がついている部分は実は、花のように見えて本来の花ではなく「苞」という、葉が変化したものなので長持ちするんです。
武居>そうなんですね!スターチスは、ドライフラワーにもなりますよね。
内藤>はい。ドライになるのですが、いつからドライになったかわからないくらい長持ちして、自然にドライになっている感じの優秀フラワーです。ポイントはこちらの茎をご覧ください。
武居>細くて、結構固いですね。ワイヤーのようにしっかりしています。
内藤>そこです。やわらかい茎は、やはり暑い時期に長い間水に浸かっていると、どうしても腐りやすいのですが、このようにワイヤーのように細くてしっかりした茎は腐りにくいですし、花瓶の水も多くなくても大丈夫。ずっと飾っていると、いつの間にかドライになっていて、多分本人もいつからドライになったか気づかないくらい、いつの間にかな感じです。
武居>水も腐りにくくてずっと持つなんて、素晴らしいお花ですね。ほかにもそのような花、ありますか。
内藤>はい、2つ目にご紹介したいのは、センニチコウです。
武居>センニチコウ!
内藤>暑い時期でも1,000日紅(あか)く、煌々としているのでセンニチコウ。英名もGlobe amaranthといって、「(球状の)丸くて枯れない花」という意味なんです。
武居>1,000日で2年半くらい??例えだとしても、すごいですね。
内藤>はい。この花もドライになるのですが、スターチスと同じく、自分がいつからドライになったのか気づかない系の花です。またこちらもハイブリッドスターチスと同じで、花のように色づいた部分は苞で、本来の花は苞の間に咲いている黄色っぽい星型のもの。写真を持ってきたのですがわかりますか、こちら。
武居>ピンク色の花に見える部分の中に、黄色い小さな星型の花が咲いていますね。これが本来の花なんですねー。
内藤>はい。センニチコウも、選ぶときはできるだけ茎が細くて固く、ワイヤーっぽいセンニチコウを選ぶといいかもしれません。ちょうど8月から10月が出荷ピークで、原産地もパナマ、グアテマラ、メキシコなどの熱帯アメリカや南アジアで、暑いのは全然大丈夫なんです。
武居>それは頼もしいですね!
内藤>はい。それから一般論として、この時期に切り花を飾るときの留意点として、飾る場所があります。できるだけ、室内でも人が通るところとか、空気が動くところに飾るということです。
武居>空気が動かないことが、切り花の寿命にも関係あるんですか?
内藤>はい。空気が動かないと花が病気になりやすいし、水の中のバクテリアも繁殖しやすくなってしまいます。それに、花が水を吸うためには、水を蒸散する必要があります。吸った水を蒸散して、またきれいで新しい水を吸うことによって、長く元気でいられます。でも空気が動かないと、蒸散しないので、水を吸わなくなってしまいます。そのことが花の寿命を短くしてしまうんです。
武居>ということで、今日は「暑い時期に飾っても長持ちするお花」をご紹介いただきました。内藤さん、ありがとうございました。
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