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NITTEN ハナラボ 第239回「 こどもの名前に使われる“植物に関する漢字”〜男の子編〜 」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

武居>内藤さん、先週はこどもの名前に使われる植物の漢字・女の子編でしたが、今週は男の子編ですね。

内藤>はい。ベビー用品を中心に、全国120店舗以上を展開するアカチャンホンポの調査に基づき、
2024年に生まれた男の子3,121人のお名前で多かった植物に因む漢字についてご紹介したいと思います。

武居>男の子で植物の漢字、、なにが多いんですかね。。

内藤>ズバリ、1位は「湊」君で、直接的に植物を示す漢字ではなかったのですが、なんと2位が早速植物の名前でした。なんだと思いますか?ヒントはちょうど今のシーズンに咲いていて、よくニュースにでも見かけるあの植物です。

武居>なんだろう・・・!?蓮君とかですかね!?

内藤>正解です!蓮君の蓮の字は「ハス」の花の字ですね。

武居>クサカンムリに連なる、という漢字ですね。でもなんで、蓮君が多いんでしょうね。。

内藤>蓮は水生植物で、水底に根を張って、花は水面より高い位置に開花します。私もここは想像になりますが、レンコンを収穫する生産者さんが、泥の中に入って大変な思いをされている様子を見ると、やはりあのような困難な場所からすくすくと成長して、清らかな花を咲かせるハスの姿に願いを込めているのではないかと思います。

武居>困難に負けずに強く生きてほしい、清らかな心を持ってほしいという願いですね。

内藤>はい。それと、先週ご紹介した女の子の名前の1位が凛ちゃんであったように、蓮君という響きが、やはり凛々しいながらも優しい感じがしますよね。

武居>確かに。現代的な印象もありますね。

内藤>「蓮」という字のバランスの良さ、整った形で視覚的にも印象が良いというか、かっこいいですよね。

武居>そうですね。あとは、有名人で蓮さんという名前の方が活躍したり、アニメのキャラクターにも多く出てくる、という理由もあるかもしれませんね。

内藤>それは確かに大きいように思いますね。で、2位がその蓮君で、3位は植物そのもの、樹木の「樹」と書いて、いつきくんです。

武居>いつきくん!響きとしては都会的でシャープでありながらも、穏やかで知的な印象がありますよね。「樹」という漢字1字で表現されることによって芯の強さを感じることができますね。

内藤>素敵な名前ですよね。樹木といえば、「この木気になる木」のCMに出てくるような木を想像する方も多いと思うんですよね。あの木のような、大地に根を張って、大きく枝を伸ばして成長して、人や社会にとって大きな存在となる・・・という印象を与える名前ではないかと思うんですよね。どんな環境でも、しっかり根を張って生き抜いて、また、社会や自然と調和し、素直でおおらかに育ってほしい、という思いが込められているのではないかと思いました。

武居>そして、しなやかさと力強さを感じさせる、非常に美しい名前ですね。

内藤>おっしゃる通りだと思います。そしてもう一つ、7位にラン(藍)くんという名前がランクインしています。

武居>クサカンムリに監督の「監」の字ですね。藍染め(あいぞめ)のアイですよね。

内藤>そうです。藍(あい)は、秋に穂状の赤い小花をつけるタデ科の植物で、藍染めの原料になる植物です。「青は藍より出(い)でて藍より青し」というように、藍染めは青よりさらに青くなる。つまり、弟子が先生よりもすぐれていることのたとえにも使われるフレーズですね。

武居>青より深い青というと、やはり冷静さとか知性を感じる色ですし、名前に使われるとなれば、その人の品格とか落ち着きを表しているように思います。

内藤>藍は染料にするまでに発酵させたり、いくつもの工程が必要で、手間をかけてこそ美しい染色になるんです。この特徴から、時間をかけて自分の色を出していってほしい、個性を育ててほしいという思いが込められているように思います。

武居>つまり、すぐに結果を求めず、人生に対してひたむきに根気強く、向き合ってほしいという思いが込められているということですね。

内藤>きっと。それに藍染は、海外でも“Japan Blue”として知られていて、国際的な感性も感じさせます。

武居>ということで、今日は「こどもの名前に使われる“植物に関する漢字”〜男の子編〜」をご紹介いただきました。内藤さん、ありがとうございました。

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