Take your time. - Fm yokohama 84.7

NITTEN ハナラボ 第236回「 お盆飾りで使う、ホオズキの楽しみ方 」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

武居>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか。

内藤>もうすぐお盆ですが、武居さんのご実家は、お盆に何か飾る定番はありますか。

武居>あんまり、実家ではやってなかったのですが…おじいちゃんおばあちゃんの家でキュウリとナスに割りばしを刺してたりしてました!

内藤>全国的にそういうところが多いですね。お盆は、ご先祖様をおうちに迎える1年に1度のイベントですよね。ご存じの方も多いとは思いますが、キュウリやナスに割りばしを指すのは、キュウリは馬に、ナスは牛に見立てているのですが、ご先祖様や亡くなった人に、馬に乗って早く帰ってきてください、牛に見立てるのは、お帰りはゆっくりという思いが込められているからです。

武居>亡くなったご家族やご先祖様を大事にする思いが込められていますよね。ホオズキもそうですよね。お迎えするときに迷わず到着できるように、提灯に見立てているのでしたね。

内藤>そうです。今日はそのホオズキについてご紹介したいと思います。

武居>ホオズキってお盆以外にあまり見かけることがありませんが、日本古来の植物なんですか?

内藤>日本や中国などが原産地とされていて、なんと『古事記』にも出てくるんです。

武居>日本最古の文学『古事記』に出てくるなんて、日本人にとって古くから接点のある植物なんですね。

内藤>『源氏物語』にも出てきて、その登場人物である玉鬘(たまかずら)ちゃん(恐らく二十歳前後)がとてもかわいいと、玉鬘ちゃんの頬はホオズキのようにふっくらとして、髪のかかった隙間から、頬の色艶が美しく見えるという、美と健康のたとえとして出てきます。

武居>そうなんですね〜。

内藤>また『枕草子』では、清少納言が「大きい方がいいもの」を列挙していて、家、お弁当袋、果物、牛、松の木、サクラの花びら、ヤマブキの花などに並び、ホオズキを挙げています。

武居>ホオズキの実は大きい方がいいってことなんですね。今は何センチくらいあるのですか??

内藤>今日お持ちしたホオズキが、だいたい市場に流通するスタンダードなサイズなのですが、風船の部分が全長で8-9cmくらいあります。その風船の胴回りで22cmくらい。でも清少納言の時代は、おそらく大きくても全長4cm程度ものが多かったと思います。

武居>清少納言が今のホオズキを見たら、びっくりするかもしれませんね笑

内藤>ですね。このホオズキは皆さんあまりお盆以外で飾ったことがないと思いますし、お盆で飾った後も処分するだけというパターンが多いと思うので、今日はホオズキの2次活用についてご紹介したいと思います。

武居>ホオズキの2次活用!?

内藤>お盆を過ぎてご先祖様を見送ったら、このホオズキを水に浸けておくと、なんとスケルトンホオズキになるんです。

武居>スケルトンホオズキって、虫ホオズキとも呼ばれるものですか?水に浸けておくだけでいいんですか?

内藤>はい。風船の中は空洞なので、水の中に入れると浮いてきてしまうので、浮かないように重石をするとか、コップの淵まで水を入れてフタをするなどして、浮かないようにしてください。

武居>これは、何日くらいでこのスケルトンホオズキになるんですか?

内藤>早ければ2週間くらいで出来上がります。途中水を1‐2回交換するといいと思います。完成したら、つるして晩夏の飾りとして楽しんでもいいですし、すぐにハロウィンになるので、中にライトを通して、ハロウィン仕様にしてもいいですし、そのあとはクリスマスに使ってもいいですね。

武居>手作りの装飾っていいですよね。夏休みの自由研究にもいいかもしれませんね。

内藤>8月後半くらいになると、黒ホオズキといって、小さめの黒っぽいホオズキも出荷され、こちらは花束やフラワーデザインなどに使われるのですが、こちらはカッコ良くて、お部屋にちょっと飾るにはおしゃれでおすすめです。

武居>ということで、今日は「お盆飾りで使う、ホオズキの楽しみ方」をご紹介いただきました。内藤さん、ありがとうございました。

お花に関する質問や、取り上げてほしいテーマなど、
気軽にメールお待ちしています!
take@fmyokohama.jp までお送りください♪

top