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NITTEN ハナラボ 第232回「 ラン科ではないのに名前に"ラン"がつく植物 」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

武居>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか。

内藤>今日は「〇〇ラン」と名前にランが付いているのにランじゃない、名ばかりランについてご紹介したいと思います。

武居>ランという名前がついているのに、ランじゃないものがあるんですね!

内藤>はい。例えばスズラン。

武居>スズラン!

内藤>コチョウランはラン科の植物ですが、スズランはラン科ではなくキジカクシ科です。そのほか、ナルコランという斑入りのきれいな葉物として市場にたくさん流通する植物も、キジカクシ科でラン科ではありません。

武居>なるほど。そういえば、夏に花が咲くといつもニュースなどで話題になる、リュウゼツランもランじゃないのにランという名前がついていますよね!?

内藤>リュウゼツランもそうですね!よく名前がでてきてすばらしいですね!竜の舌の蘭とかいてリュウゼツランと書きますが、これもキジカクシ科の植物。学名でアガベとも呼ばれます。

武居>サボテンのような植物で、公園とかに大きなアガベとかが植えられていると、とてもかっこいいなと思います。
暑い夏が続くと、「リュウゼツランが開花しました!開花は何十年に一度ともいわれていて大変珍しい!」とニュースになりますよね。

内藤>その植物です。アガベの中の一種はメキシコのお酒であるテキーラの原料になります。これは、ランじゃないのにランと呼ばれている典型的な植物といっていいかもしれません。ほかにもクンシラン(君子蘭)というオレンジ色の花があるのですが、これはヒガンバナ科の球根植物で、本来のランとは全く関係ありません。また、大田市場でもよく見かける、コウモリランもそうですね。ちょうど今、流通シーズンを迎えています。コウモリランはビカクシダとも呼ばれるように、実はシダ植物です。
  
武居>シダ植物って全然ランと関係ないですよね…!?
なぜこんなにたくさんのランと無関係な植物が〇〇ランと呼ばれるのでしょうか。

内藤>意味わかりませんよね。「ラン」という言葉が持つ高貴な印象にフリーライドしちゃっている感じがします。もともと「蘭」という漢字が、上品で高貴な植物というイメージを持たれていたということがあって、その上で、見た目がラン科の植物に似ている、あるいは洋風な感じとか異国情緒あふれる感じがしたので、そういうものにはとりあえずランとつけようというということではないかと思います。

武居>なるほど!でもたしかに、コウモリランは異国情緒あふれる感じはあるかも!

内藤>そうですね、コウモリランは熱帯の異国情緒たっぷりで、着生する様子がコチョウランの原種など、着生ランの様子を思わせます。

武居>そういわれると、リュウゼツランも異国情緒たっぷりですよね。もともとは日本の植物ではない感じがします。

内藤>そうですね。洋風なものにとりあえず〇〇ランとつけることが多かったのかもしれません。中には、今となってはランっぽい雰囲気というのも苦しい植物もあるかもしれませんが、たとえばヤブランはキジカクシ科ですが、シュッとしたシンビジウムの葉を思わせますし、クンシランの葉は肉厚でグリーンが深くて、コチョウランの葉を思わせます。

武居>クンシランは高貴な雰囲気があるので、ランとつけたくなるのもわかる気がします。スズランはどうでしょうか。

内藤>下向きで小さな鈴のような花が可憐で、どこか洋ランのようなかわいさがあることから、ランが付いたのかなと思います。ナルコランの花もスズランの花に似て、白くて鈴のような花が下向きに付きます。

武居>ということで、今日は「ラン科ではないのに、名前に"ラン"がつく植物」をご紹介いただきました。内藤さん、ありがとうございました。

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