Take your time. - Fm yokohama 84.7

NITTEN ハナラボ 第226回「 百合の漢字の理由 」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

武居>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか。

内藤>今日は、簡単なクイズから!花の名前ですが、「百」に「合」と書いて、何と読むでしょうか

武居>これは比較的女性の名前になっていることもあるので、わかります。ユリですね。

内藤>正解です◎。でもどうして、百に合でユリと読むのか、考えたことってありますか。

武居>当て字なんですか?

内藤>当て字なのですが、ユリの何を百枚合わさると表現したのか不思議ではありませんか?

武居>確かに、花びらはそんなにありませんし、葉っぱかな・・・、でも葉っぱも100枚もないかな・・・

内藤>ていうくらい不思議ですよね。定説となっているのは、花びらでも葉の数でもなく、その球根の形に由来していることなんです。

武居>ユリの球根ってピンとこないけど、ユリネなど食べますが、あんな形ですかね..?

内藤>その通りです。

武居>ユリの球根って、肉厚の花びらが幾重にも重なって、一つの大きな塊を作る感じになっていますよね。

内藤>そうです!あのひとかけを鱗片というのですが、その鱗片が幾重にも重なっているその様子から、「百合」という表記が、中国でできて、日本に入ってきたときに「ユリ」という呼び方が当てられたというのが定説です。

武居>球根の鱗片が何枚あるか数えたことはありませんが、たしかに、何十枚も重なっていますね。
たとえとして百枚、つまりたくさん合わさって、「百合」の漢字表記になったのはわかるような気がします。

内藤>実は、そのユリと、ここ横浜は、意外にも歴史的に深い関係にあります。

武居>どんな関係でしょうか?

内藤>1859年、旧暦の6月2日に開港したのが、横浜港。

武居>6月2日は横浜港開港記念日ですね!5月31日から6月2日まで、今ちょうど「横浜開港祭」を開催していますね。

内藤>そうなんです!1859年は江戸時代末期なので、6月2日といっても旧暦の6月2日。
(現在の暦にすると7月1日に当たる)、開港してたくさん輸出されたのが、生糸だったんですよね。

武居>生糸!お蚕の繭から取り出した、シルクの原材料となるものですね。

内藤>はい。その生糸が輸出全体の約50%を占めるほどだったといいますから圧倒的に多くて、
その次に多いのがお茶。そして、その次に多く輸出されたのが、なんとユリの球根だったというわけです。
山下公園通りには、ユリと横浜開港の歴史を伝える記念碑が設置されています。
外国貿易の窓口となった横浜から、ユリの球根が大量に輸出され、外貨獲得につながったとともに、
横浜港を経由して海外に輸出されたユリが、ヨーロッパの園芸文化の進展に大きく貢献したんです。

武居>横浜港が果たした役割は大きいですね!

内藤>たとえば、ユリのカサブランカってありますよね。
あれは、オランダで誕生した品種ですが、元は日本のユリを交配して生まれたものですし、
今お花屋さんに並ぶユリの多くは横浜港を経由して日本から海外に輸出されたものをもとに生まれたものなんです。

武居>ユリと横浜の意外な関係ですね!

内藤>横浜・みなとみらい21地区の臨港パーク周辺で、現在開催の横浜開港祭! 
音楽ライブやダンスなどのステージイベントのほか、グルメ、ファッションショー、
子ども職業体験などさまざまなコンテンツが盛りだくさん!
明日まで開催していますので、気になった方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

武居>ということで、今日は「百合の漢字の理由」をご紹介いただきました。
石田さん、内藤さん、ありがとうございました。


お花に関する質問や、取り上げてほしいテーマなど、
気軽にメールお待ちしています!
take@fmyokohama.jp までお送りください♪

top