
花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。
武居>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか。
内藤>今日は「スギの花粉はなぜ飛ぶのか」ご説明したいと思います。
武居さんは、花粉症、お持ちですか?
武居>実はまだ気づいていないです。。
内藤>なんと!うらやましい!本当ですか。私なんて中学生の時から花粉症なので、結構なキャリアなんですよね(笑)今や日本国民の3人に1人、あるいは2人に1人が花粉症ともいわれるようで、小さい子を除いて大人だけで考えたら、ほぼみなさんが花粉症に悩まされているのではないかと思います。
武居>いま花粉症になっていない人も、将来花粉症になるリスクはあるといいますものね。
国民病といわれる理由もわかりますよね。
内藤>よく2月とかになると、山から黄色い杉の花粉がびゃーッと飛び出るシーンとかテレビで放送されたりしますよね。
武居>すごいですよね。風に吹かれて揺れて花粉が飛散するシーンとか、見ているだけでくしゃみが出そうになりますよね。
内藤>そうなんです。でもバラ園やヒマワリ畑などにいっても、風が吹いて花粉が塊になって、空気の色が変わるほど、わーっと飛ぶことってあまりないと思いませんか?
武居>たしかに。どのお花にも花粉はあるはずだけど、なんで、スギだけあんなに黄色い花粉が飛ぶんでしょうか。
内藤>そこなんです。それは、スギが「風媒花」だからなんですよね。
武居>なるほど!そういうことなんですね。
風媒花だから、風に乗せて花粉をたくさん飛ばすんですね。
内藤>そうなんです。スギの花粉はとても軽くて、大きさも一つ当たりの直径が0.03mmくらい。一度吹かれると数十キロ飛ぶといわれます。
武居>えー!週十キロも飛ぶんですね!
内藤>しかも、スギの小さな粒々の1つのオバナの中に30-40万個の花粉が入っているんだそうです。
武居>小さい粒の中に何十万個も!花粉症の人からすると、怖ろしすぎる情報ですけど、、、
内藤>スギも元々は生存をかけて、花粉をたくさん蓄える必要があったわけですよね。
植物には風媒花のほかに、ハチとかハエなどの昆虫に受粉を中媒させる虫媒花、鳥に中媒させる鳥媒花、そして、水を利用して受粉する水媒花があるんですよね。
武居>バラとかヒマワリは虫媒花ですよね。
内藤>そうなんです。私たちが知る花の多くは虫媒花なんですよね。
武居>鳥媒花は?
内藤>ツバキ、サザンカとか、ビワ、ウメ、モモなどがそうです。
武居>それでモモやウメの花に。メジロやウグイスとかがよく来ているということですね!
内藤>その通りです。ハイビスカスとかキングプロテアも鳥媒花(キンプロは虫媒花と両方)です。あとは、水媒花もあります。
武居>水媒花ってどういうお花ですか?
内藤>水を利用指定受粉する花なので、水生植物が多いですね。
バイカモ(梅花藻)とかがそれにあたります。
武居>バイカモ大好きです。雰囲気ありますよね。
いろんな種類があるんですね〜。
内藤>そうなんです。
ちなみに、イネ科も風媒花ですし、秋にはブタクサの花粉症もありますが、ブタクサも風媒花です。
武居>そうなんですね。植物によって花粉が飛びやすい、飛びにくいという性質があって、その飛びやすい花粉に、花粉症が悩まされているっていうことなんですね。勉強になりました..!
ということで、今日は「スギの花粉が飛ぶ理由」をご紹介しました。
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