
花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。
武居さん>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか?
内藤さん>今日は、植物を海外から収集して、珍しい植物を自分の国に紹介する“プラントハンター”という仕事についてご紹介したいと思います。
武居さん>プラントハンター。なんだかこうちょっとロマンがあるというか、ミステリアスでかっこいい響きで、漫画とかでありそうな感じがありますけど(笑)
内藤さん>はい。実は、村上龍さんが書いた「13歳のハローワーク」で、最初に紹介されるのがプラントハンターという職業なんです。
武居さん>なるほど。意外と知っている人とか、聞いたことがある人は多いかもしれませんね。
内藤さん>はい。もともとは、主に17世紀、18世紀、大航海時代と重なって、ヨーロッパの人たちが植物を求めて、世界中を航海しながら探検する人たちのことを指します。
武居さん>なるほど。たしかに、お茶とかスパイスなどを求めて、イギリスやスペイン、ポルトガルなどが冒険家や宣教師などを世界に送り出した頃ですもんね。そういう船に同乗して、各地から植物を収集してきた人たちのことなんですね。
内藤さん>そうなんです。何千という植物を発見したフランスの植物学者、コンメルソンは、南米の探検中に見つけたブーゲンビリアを、その時の船長をしていた、ブーガンビルにちなんで名づけたんですよね。
武居さん>へー、ブーガンビルさんに因んで「ブーゲンビリア」なんですね!
内藤さん>はい。コンメルソンは、プラントハンターといえども、海洋探検であちこちに行っているうちにモーリシャス島で船を降りて、もうそこの植物があまりにも面白くて、土地柄もいいし、そこに住み着いてしまったというくらいなんですよね。
武居さん>たしかに、全然違った植物に出会えそうですもんね。興味深い植物がたくさんいたんですかね。
内藤さん>ね。そう思います。ところで、武居さんなら、このお写真の植物の名前をご存じと思いますが、、、
武居さん>あ、バンクシア、ですよね?!
内藤さん>そうです!バンクシアです。この植物も、ロンドン生まれのプラントハンターのジョセフ・バンクスに因んで名づけられた植物なんです。
武居さん>バンクスから名づけられたからバンクシアなんですね。なんだかその発見した人の名前がついていると、まさに”プラントハンター”といった感じがしますよね。
内藤さん>はい。バンクスも、探検家のジェームス・クック船長の航海に同行して、ユーカリとかミモザなど3万点にも及ぶ植物標本を世界中から収集して、当時のヨーロッパに紹介したというすごい功績を世に残した人なんですよね。すごすぎて、植物ばかりではなく、ニュージーランドのバンクス半島、カナダのバンクス島とか、地名にも名前が残っているくらいなんです。
武居さん>植物や地域の名前として後世まで名前が残るなんて、すごい人ですよね。なんかもう、バンクスっていう名前を聞いただけで「冒険家っぽい」っていうイメージがなんか頭の中に浮かんできます(笑)ちなみにプラントハンターは、お金持ちだったんですかね?
内藤さん>一攫千金を目指して出かけた人もいるでしょうし、どちらかといえば、もともとお金持ちが植物が好きで船に乗せてもらって、植物採集にでかけたということかもしれません。
中には、その功績が認められて、国王から植物学者に任命されて、さらに世界一周の探検の任務を与えられた人もいますし、ジョセフ・バンクスなんかは科学者として確固たる地位を築いて、ロンドンでいい生活をしたといいますから、どちらからというと、社会的地位を求めてっていうことが多いかもしれませんね。
武居さん>なるほど。たしかに社会的地位とか名誉を与えられるっていうのは大きいでしょうね。ちなみに今でもプラントハンターっているんですか?
内藤さん>はい。そう呼ばれる人はいますね。現在はプラントハンティングだけで生計を立てるのはちょっと難しいかもしれませんが、実際には、プラントハンティングしている人はいます。
武居さん>なるほど。これをまた、日本に仕入れたりして、交配を変えたりとかっていうのがあったりするんですね。すごい面白いですね...!
ということで今日は「世界中の植物を収集して届ける仕事、プラントハンター」についてご紹介しました。
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