
花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。
武居さん>内藤さん、いよいよ2024年も最後の月になりましたね。
内藤さん>早くも12月ですね。
武居さん>年末になると、流行語大賞とか、ベストジーニストとか、日本カーオブザイヤーとか、1年の総ざらいでいろいろ発表されるようになりますが、お花でもそういうものがありますか?
内藤さん>あります。フラワーオブザイヤーOTAというのがあって、大田市場に流通する花の中から、今年の花として4つほど選出されるものがあります。フラワーオブザイヤーOTAは2005年に始まりまして、今回おかげ様で20周年を迎えます。
武居さん>20年も続いているのですね。20周年を迎えることは何か特別なことはあるのですか?
内藤さん>いつもは4つの賞を選出させていただくのですが、今回は5つの賞が選出されました。
武居さん>すでに5組選出されたのですね。どのような花が選ばれたのですか?
内藤さん>最優秀賞は、キク(マムと呼ばれたりしますが)、一輪仕立ての大輪ギクで「クラシックココア」というものです。
武居さん>ココア色で落ち着いた色目ですね。切り花のキクですよね。
内藤さん>そうなんです。愛知の生産者さんが生み出したキクで、これが人気なのです。
武居さん>人気なのもうなずけます。とても上質でおしゃれな感じが伝わってきます。
内藤さん>大輪で、ぽってりとした厚みのある花弁が、外側から内側に抱え込むように咲いて、しかもココア色というとても珍しいタイプのキクです。大正ロマンを感じさせるようなクラシックな見た目でありながら、こういうキク切り花ではなかったんですよね。バイヤーの皆さんもみんな絶賛の嵐だったんですよね。
武居さん>キクといってもお供え用とは全く違うんですよね。
内藤さん>そうなんです。このキクをお供え用にする人はまずいないと思います。一流のデザイナーさんとかも使うのですが、和っぽいイメージでありながら、実は洋風アレンジなどにも使えて、本当に存在感のあるキクなんです。
武居さん>これが5つの賞のうちの最優秀賞ですね。ほかの賞には何が選ばれましたか?
内藤さん>次の優秀賞はバラのオール4ラブというバラです。
武居さん>素敵な名前ですね。
内藤さん>これがまた大輪ですばらしいと評価を受けました。
そして特別賞に、岩手県のリンドウと千葉県のミモザが選ばれました。
武居さん>キャッチーなお花が多くて、カラーもそれぞれ違って素敵ですね。
内藤さん>そして、新商品奨励賞といって、本年度の新人賞みたいなのもあるのですが、それはヒマワリのダージリンという花が選ばれました。
武居さん>あ、この花、夏にこのコーナーで紹介しませんでしたっけ?
内藤さん>さすが!よく覚えていらっしゃいますね。おそらく実物を武居さんにご覧いただいたような気がしますが、7月14日ヒマワリの日にヒマワリネタを紹介させていただき、その時に今年イチオシのヒマワリとして紹介させていただきました。
武居さん>それが見事に新人賞を受賞したということですね。全体的な共通点とかってなにかりますか。
内藤さん>花の業界はしばらく「品薄」といって、需要に対して供給が少し足りていない傾向が続いていましたので、それを反映してか、トレンドを強く反映するというよりも、だれもが知る定番の品目が選ばれたように思います。その品目の中で、少しペールトーンとかくすみ系の色だったり、トレンドをキャッチアップしているものが受賞したように思います。
武居さん>これを見れば花のトレンドが一目瞭然ですね!
ということで今日は「フラワー・オブ・ザ・イヤーOTA2024」をご紹介しました。
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