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NITTEN ハナラボ 第200回「日本の花マーケットの中で、バラのシェアが少ない理由」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

武居さん>内藤さん、今日はどんなお話でしょうか?

内藤さん>世界の三大切花は、キク、バラ、カーネーションといわれています。
その中でも最も多いのは何だと思いますか。

武居さん>やっぱり、バラでしょうか・・・?

内藤さん>正解です。バラが最も多くて、流通の30-35%くらいなんですよね。キクは7-8%で、カーネーションが5%くらい。



武居さん>圧倒的にバラが多いことが分かりますね。

内藤さん>はい。同様に、日本でも三大切花といえば、キク、バラ、カーネーション。
でも最も多いのはバラではないんです。何と思われますか?

武居さん>これ先週ちょっとお話がありましたよね?キクですか?

内藤さん>そうです、正解。先週のお話にヒントがありましたね。日本の生産量の中でもキクが40%くらいで最も多く、さらには輸入品も含め流通全体ではキクが30%、カーネーションが10%くらいで、バラが6%なんです。

武居さん>なるほど、海外ではバラが圧倒的に多くて、バラ→キク→カーネーションの順だけど、日本国内の流通ではキクが圧倒的に多くて、キク→カーネーション→バラの順なんですね。世界全体と比べるとバラのシェアが少ないのがちょっと意外でしたが・・・

内藤さん>そうですよね。日本でもバラも人気で、世代によっては好きな花ナンバーワンになったりするのですが、実際に流通している量はキクやカーネーションの方が多いんです。

武居さん>バラのシェアが少ないのはなぜなのでしょうね?

内藤さん>仮定になりますが、ひとつにはキクのシェアが大きいということ。日本ではお盆やお彼岸、お正月などのタイミングで消費が伸びるのですが、その時に使う花はキクが多いですよね。

武居さん>確かに。お葬儀の時も白いキクを使ったりしますよね。


内藤さん>それも大きいです。最近は傾向が変わってきていますが、葬儀用の白いキクもまだ定番としてたくさん使われます。日持ちもしますし、1年中流通があるのがやはり重宝されているんですよね。さらには、葬儀の時にキクを使うと、キクのスーッとした香りが会場を包み込み、とても厳粛な雰囲気になりますし、茎がまっすぐで白く凛とした姿が、亡くなった方を見送るのにとても見合っている感じがするということで、まだまだ白いキクが根強く支持されているんですよね。

武居さん>やはりそのような日本独特の需要があるからキクが多いのですね。

内藤さん>そうなんです。次にカーネーションが多いのも、やはり仏様に供える花の需要が多いからなんです。

武居さん>母の日の需要かと思いましたが。

内藤さん>それもあります。ただ、母の日にカーネーションを贈るのは、世界の中でも巨大消費マーケットであるアメリカも一緒ですし、やはり母の日前の1か月のニーズだけでは、なかなかそこまで全体の消費は伸びないんですよね。

武居さん>となると、やはりお盆お彼岸用なんですか。そういえばスーパーなどでその時期に花売り場をみると、必ずお供え用の花束に赤いカーネーションが入っていたりしますね。

内藤さん>そうなんです。お供え用の需要が大きいのがひとつ。さらには、それに加えてお供え用以外もカーネーションはよく使われますよね。ギフトの花束やお祝いのスタンド、結婚式やイベントなどの会場装飾、お葬儀にも使われることもありますし、お花を習う人の稽古の花材にも使われて、カーネーションの用途はとても幅広いんです。

武居さん>日持ちしますし、花弁とかも傷つきにくいですしね。取り扱いしやすいのが重宝されるのでしょうね。

内藤さん>傷つきにくい!というのがいいポイントですね。お花のサブスクリプションってありますよね。

武居さん>定額制で毎月届いたりお店に受け取りに行ったりするサービスですよね。

内藤さん>そうです。その「おうちに届くタイプ」のサブスクリプションで、カーネーションはとても重宝されているんですよね。小さい箱に入れて多少花弁が擦れたとしても傷つきにくいということで。

武居さん>カーネーションにはそういったメリットもあるんですね。つまり、日本の場合は、バラが少ないというよりも、キクやカーネーションの流通が多いから、ということですね?

内藤さん>そうです。そしてその理由は、お盆やお彼岸など、日本では1000年以上も続く文化に支えられた花の消費があり、キクやカーネーションはその消費によく使われるからということでした。

武居さん>日本独特の花文化が分かって面白いですね。


ということで今日は「日本の花マーケットの中で、バラのシェアが少ない理由」をご紹介しました。

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次回のハナラボもおたのしみに♪

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