
花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。
>明日、11月11日は、中国では「独身の日」とされていて、1年のうちでも最大のセール日になったりするようですが、日本でも「ポッキー&プリッツの日」とか「おさかなソーセージの日」「うまい棒の日」「スティックパンの日」「きりたんぽの日」など、たくさんの記念日が登録されているようです。
花業界では「いい枝物の日」としています。
枝物といっても、もちろんいろいろありますよね。
そこで今日は、大人のたしなみとしての枝物のお話ができるといいなと思いまして。
◯大人のたしなみとしての枝物?!新しいですね。
>ワインも赤か白かだけではなく、生産地とか渋みがナンチャラとかわかると、ちょっと大人のたしなみ的で面白くなりますよね。
◯確かに、ワインもそうですし、チーズもハードかソフトかだけではなく、ウォッシュドとか、生産地やカビの種類などがわかるとちょっと文化的で面白くなりますね。
>ですよね。そんな感じで枝物も秋になると、同じ名前でもそのステージというか、姿を変えて流通して、面白味が増すのですよ。
◯この時期は、大人のたしなみとして、例えばどんな枝に注目するといいんでしょうか?
>ヒペリカムです。
和名を「オトギリソウ」といって、切枝でも流通しますが、マンションや商業施設の植え込みなどにもよく使われます。黄色い花が咲いるのですが、切枝ではだいたい赤い実がついて流通します。そのほとんど・・・90%以上は輸入品で、エチオピアやケニアなどから入ってきます。
◯意外にも!そうだったのですね。
>ですが、このヒペリカムのうち、6%くらいが国産なんですよね。
◯ほんの6%!小麦でも自給率が10%くらいとされているから、それより少ないということですね。国産ヒペリカムはかなり貴重品ですね。
>そういうことですよね。しかもその国産ヒペリカムが、この秋の時期だけに流通するのです。それが紅葉ヒペリカム!
◯通常ヒペリカムというと、赤とかグリーンとか、たまにピンク色とかもありますよね。そういった丸い実が付いたものがかわいいわけですが、紅葉ヒペリカムとは、赤茶色に紅葉したところに観賞価値があるということですね。
>その通りです。主に埼玉県がその紅葉ヒペリカムの生産地で、群馬県との県境にある秩父でも少し標高の高い地域で枝物を作っているんですよね。
◯標高が高いから、夜の気温がしっかり下がって、紅葉がきれいなんですね。
>そうなんです。そこがひとつの枝物のブランドとして有名で、このようヒペリカムはそのブランドの代名詞みたいなものなんです。
◯マーケットでも評価が高いのですか。
>相当高いですね。プロのフローリストをうならせる人気商材です。紅葉ヒペリカムは生産者さん独自のノウハウが詰まった商品なのですが、例えば赤ワインで有名なのがフランスのボルドー地方だとしたら、紅葉ヒペリカムで有名なのは秩父。この秩父の紅葉ヒペリカムなら間違いないということなんです。
ということで今日は「この季節にだけ流通する通な枝物・紅葉ヒペリカム」をご紹介しました。
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