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NITTEN ハナラボ 第192回「土に根を張るのを辞めた着生植物」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

今日は、土に根を張るのをやめて、
何かにくっついたりして生きていく植物をご紹介します。

まず、土に根を張るのを辞めた植物ひとつめは、エアプランツです。



エアプランツはグアテマラなどの中南米で、基本は乾燥した熱帯雨林、
熱帯高地などの過酷な環境で樹木の幹や岩など、ときに電線などにも着生しています。
夕方に大量の雨が振ったあとに、風に吹かれて内部までよく乾くことが重要で、
電線のような高い所にあれば乾きやすいですし、ちょうどいいのかもしれません。
このエアプランツは、土の中に張るような根はないのですが、木に巻き付くための根が少し生えています。

2つめにご紹介するのは、着生ランです。



ランには大きく地面に根を張る地性ランと、樹木や岩に着して成長する着生ランとに分けられます。
土に根を張る地生ランは、エビネ、シュンラン、パフィオなど。
着生ランは、コチョウランやオンシジウム、バンダ、カトレアなどがあります。
根を張るのを辞めた植物は着生ランで、花市場に流通する多くはこの着生ランに当たります。
鉢に入って販売されていたりするので、地面から生えているものと思っている人多いかもしれませんが、
これは観賞しやすいように鉢に入れて商品用としてデザインしているのですが、
あの鉢の中に入っているのも実は土ではなく、バークと呼ばれる樹皮とかミズゴケだったりします。

コチョウランは熱帯アジアが原産地。
フィリピンやインドネシア、台湾など、湿度も温度も高い所の森の中の木や岩などに太い根を張り巡らせています。
でもそれはエアプランツと同じで着生しているだけで、寄生ではありません。
その木から養分を吸い取っているわけではなく、場所を間借りしている感じです。
この着生植物の他にも、「寄生植物」といって植物に寄生して、栄養を吸い取る植物もいるのですが、
そちらはまた今度、ご紹介したいと思います!

ということで今日は「土に根を張るのを辞めた着生植物」をご紹介しました。

お花に関する質問や、やってほしいことなど、
どしどしメールお待ちしています!
take@fmyokohama.jp までお送りください♪

次回のハナラボもおたのしみに♪

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