
花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売している、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。
今日は、見て楽しむ分には素敵な花ですが、食べたら危ない有毒植物のお話です。
植物の毒は基本的に、獣害を防ぐために備わっています。
有毒植物として代表的なのは、スイセンが挙げられます。
飾ったり触ったりする分には全く問題ありませんが、葉や球根を食べると危険です。
スイセンのスーッとした葉はニラの葉にも似ていることから、毎年春先に「ニラと誤ってスイセンの葉を食べて中毒症状!」というニュースが飛び込んできたりしますよね。
スイセンの植物体のすべてに毒があって、食べると30〜60分以内に、嘔吐や頭痛などの症状が現れるそうなので、間違えても口にしないということが大事です。
また、スイセンに含まれている毒性成分の一種がリコリンというものなのですが、
リコリンといえば、ヒリコスの学名を持つヒガンバナにもあり、ヒガンバナの球根に含まれているものです。
ヒガンバナといえば、これから開花シーズンですが、昔は畦道やお墓などに咲いていましたよね。
これはおそらく、球根に毒があるため、ネズミとかタヌキなどが大切なお墓や田んぼを荒らさないように、そのようなところに植えられていたのではないかと思います。
そして実は、ほかに身近な植物でアジサイの葉にも毒があって、
こちらも以前、料亭で誤食してしまい、食中毒になってしまった、というニュースが飛び込んできたことがありました。
そのニュースによると、和食に彩を付けようと思って、お庭でアジサイの葉をとってきて、恐らくはシソの葉のようなイメージでお皿に添えたらしいのです。
アジサイも触る分には平気ですが、食べてはいけません。
そして最後にご紹介するのは、トリカブトです。
あまり聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれませんが、花市場には学名のアコニタムという名前で流通して、この9月が開花の旬なんです。
このトリカブトは、植物界最強の毒持ちといわれています。
花も茎も根にも毒があって、これを口にすると、口唇や舌のしびれに始まり、手足がしびれたり、
嘔吐したり、お腹が痛くなったり、血圧低下などをおこし、最悪は呼吸不全に至ることもあるそうです。
トリカブトの毒は、昔から狩りの毒矢に使われていたり、アイヌの人々がクマを狩るときの毒矢に使われていたことが有名です。
薬用になる成分を含んでいるものもあって、トリカブトは漢方薬にも使われますし、
先週お話したフウセントウワタもそうですし、シャクヤクの根も誤って食べると大変なことになってしまうのですが、本来は漢方薬によく使われる植物ですよね。
毒といっても私たちの生活に有用な植物とも言えて、使い方次第なんですね。
なにより誤食しないことが重要です...!
ということで今日は「知られざる毒を持った植物」をご紹介しました。
お花に関する質問や、やってほしいことなど、
どしどしメールお待ちしています!
take@fmyokohama.jp までお送りください♪
次回のハナラボもおたのしみに♪