
花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売していらっしゃる、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。
今回は、今いい時期を迎えている「サクラ」のお話です。
3月27日は「さくらの日」。ご存知でしたでしょうか?
公益財団法人日本さくらの会が、「咲く」に因んで、「3×9=27」の語呂合わせで3月27日になりました。
また、ちょうど桜のシーズンでもあり、「七十二候」ではちょうど3月25日から29日くらいが「サクラはじめて開く」という季節に当たって、桜の時期を指しているんです。
サクラは日本人にとって、特別な存在。
久しく農耕生活を基本としてきた日本人には、お花見以上の意味があり、
平安時代はサクラの開花を見て「冬も終わるからそろそろ田んぼの仕事を始めましょうか」という合図として受け取っていました。
冬の終わりは寒さや飢え、闇からの解放と捉えていて、桜のつぼみを見て、人々が希望を見出していたかと想像すると、
きっと今の私たちが桜を見て嬉しくなる以上に、喜んでいたんじゃないかと思います。
さらに、サクラの開花は農耕を営む日本人にとって占いの意味もあったんです。
主に平安時代ですが、今のように肥料も十分にあるわけではなく、農業が毎年手探りだったころ、桜の咲き具合で秋の実りの吉凶を占ったと言います。
サクラの花には田んぼの神様が宿っていて、その神様が長くサクラに鎮座して、
ずっと咲いてくれる年は豊作、早く散るときは神様が早く去ってしまったということで、凶作と言われていました。
そこで、桜の花を見上げて、散り急がないよう少しでも長い間、神様が花にいてくれるようにとお酒などの捧げものをしたといいます。
お花見の一つの源流といえるかもしれません。
そうしてサクラの花に祈りをささげていたのが、平安時代の庶民の話で、
貴族の間ではサクラの下でお酒を飲む娯楽の風習がすでに始まっていたといいます。
比較的、今の花見に近いスタイルが確立したのは、江戸時代と言われています。
8代将軍の吉宗は桜が好きで、隅田川や品川の御殿山、北区にある飛鳥山公園など、今でも桜で有名なところに桜をたくさん植えさせました。
吉宗が桜を植えさせたのがきっかけで、庶民も娯楽として桜を楽しむようになったといわれています。
そしてちょっと派手な小袖を着て、お酒を飲んだりご馳走を食べたりしたそうで、翌日はしゃぎすぎて疲れがでて、それを「花疲れ」といいました。
お花見の時期は思った以上に寒く、おしゃれしてちょっと薄着で花見に出かけて、お酒を飲んで風邪をひいてしまう、という方も多いかもしれませんね。
お花見のシーズンですが、風邪をひいたり、花疲れのないように楽しみたいですね。
ということで今回は「サクラにまつわるお話」をご紹介しました!
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