Take your time. - Fm yokohama 84.7

NITTEN ハナラボ 第151回「フラワーオブザイヤーOTA 2023」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売していらっしゃる、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

先日、2023年を締めくくるフラワーオブザイヤーOTAが発表されました!
これは、大田市場に流通した何万種にも及ぶ花の中から選出されたもので、
12月8日に大田市場で発表会と、その花を創った生産者さんの表彰式が行われました。

フラワーオブザイヤーOTAは、大田市場にある卸売会社に流通した花と、
それを出荷した生産者さん(輸入商社さんも含めて)すべてが受賞対象になります。
分母はざっくり20-30万くらいあります。過去4年間のご自身のご出荷量や価格を超えて、
さらに今年たくさんの販売に至った方のみをデータで抽出させていただき、
その中からよく売れて人気だった花をノミネートして、最終は25人くらいのバイヤーさんによる投票で決まります。

結果、立派なものというよりは、仕入れやすく、売りやすいものや、花は小さくても人気で、店に置くとすぐ売れてしまったみたいなものに票が入って、受賞することもあります。
国内の何千という生産者さんや輸入商社さんも受賞の対象になるのですが、
過去には神奈川の寒川町でスイートピーを生産されている方が、神奈川県が作出したオリジナル品種で受賞されたこともありました。

今年の最優秀賞には、群馬県の「秋色ミナヅキ」が選ばれました。



群馬県の中でも北部にあるほぼほぼ尾瀬に近い、標高1000メートルくらいのところから出荷されるミナヅキです。
その形から「ピラミッドあじさい」と呼ばれることもあるのですが、最初に花が咲くときは白、それからグリーンになって、秋口にはグリーンとピンクの斑模様のようなアンティークカラーになり、』最後は燃えるようなエンジ色の鮮やかな赤色になります。これが秋色ミナヅキです。
サイズもいろいろあるのですが、花の部分の全長が大きいと40cm以上になることもあります。


そして優秀賞には、愛知県のオレンジ色の「グロリオサ」が受賞しました。



グロリオサは、ちょっと彼岸花に形が似ていて、通常は赤い花が多くて、ツボミの時は花が下を向いているのですが、
開花するにつれて、花弁が反り返って向かって開き始めるっていうすごくユニークな咲き方をする花なんです。

続いて特別賞に、山形県のショコラ色の「ストック」で、ヴィンテージブラウンという品種、
新商品奨励賞に香川県のキイチゴの葉で「いろは」という枝物が選ばれました。



最近は枝物の受賞が多く、2019年にドウダンツツジが最優秀賞を受賞してから、毎年枝物が入賞するか、しなくても決勝戦に絡んでくるようになりました。
最近は改良された華やかすぎる花よりも、よりナチュラルな感じを得られる草花や枝物を好んでおうちに飾る方が増えたようです。
消費も増えましたし、生産側でも増えた背景があります。
農業生産でも高齢化で、絶対今日の朝に切らないともう出荷できなくなってしまうという収穫タイミングを見計らう花よりも、
収穫は今日でも明日でも明後日でも大丈夫!という、あまり時間に制約がなくて、身体的な負担が少ない枝物の生産が増えているんです。

来年は、どんなお花が選ばれるのか、今から楽しみですね..!

ということで、今回は「フラワーオブザイヤーOTA」についてご紹介いたしました。

お花に関する質問や、やってほしいことなど、
どしどしメールお待ちしています!
take@fmyokohama.jp までお送りください♪

次回のハナラボもおたのしみに^^

top