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NITTEN ハナラボ 第112回「ハナモモについて」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売していらっしゃる、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

今週の金曜日は3月3日、桃の節句ですね。
そこで今回は、ハナモモのお話です。



モモは、中国原産のバラ科の植物。
バラ科の植物は意外と私たちの周りにあって、
モモもスモモもリンゴもナシもウメもイチゴもサクラもバラ科!
アーモンドなどもバラ科の植物なんです。

モモは原産地の中国から早くに日本に渡来して、
弥生時代の遺跡には桃の核が出土しているようなので、
有史以前にもう日本にあったといっていいかもしれません。

そんな昔から日本にあるモモが、お節句で飾られるのはなぜか?
これは、中国文化に倣って始めたと言われています。
中国で最初の3月の巳(み)の日に行われていた風習で、
この日に桃の花が咲く川辺に集まって、
モモの花びらが落ちた川の水を飲み、薬草を採ってお祓いをしていたそうです。

平安時代には貴族がこの風習に倣って、モモの花を浮かべたお酒を飲んだり、薬草でお祓いをしたんだそうです。
そして、その薬草で人形を作り川に流したんだとか。
中国思想の影響を大きく受けていたので、モモは邪気を払う力があると信じられていたんですね。
古事記や日本書紀でイザナミノミコトが黄泉の国荒逃げ帰ってくるときに、
桃の実を投げて追っ手を交わしたという内容が語られています。
「桃を用いて鬼をやっつけた」という文面もあるんです。

桃太郎に象徴されるように、モモには魔除けと邪気払いの意味があります。
薬草を採ってお祓いしたのは、人にとりついた悪い霊や運気を、
その薬草で作った人形に乗り移らせて川に流して、身代わり人していたそうです。

そのお節句は時代とともにお払いの意味は薄れて、
室町時代の武家社会になると、人形を飾るひな祭りに変わっていきます。
立派な人形を飾るので、だんだん飾るのがもったいなくなっていって、流す文化はなくなりました。

ひな飾りは、3日を過ぎたら早く片付けるようにと言われますが、 
それも、厄払いのために流すという習慣を受け継いでいて、
いつまでも飾るのではなく、流す代わりに早く片付けることで厄を払っていたのではないかと思います。

この時期は、ハナモモがスーパーなどあらゆる場所で売っていますが、
買うときに注意するポイントがあります。
それは「つぼみ」。
ツボミが硬すぎると花が開かなかったり、咲きすぎているとすぐ散ってしまう可能性があります。
つぼみなんだけど、そのツボミがふっくら大きくて色付いているものを選ぶのがおすすめです。1輪くらいなら、咲いていても大丈夫です。

また、生ける際は、黄色と緑をプラスすると、一気に「春感」が強まります。
例えば、ナノハナをプラスすると黄色と緑が一度で完結しますし、
黄色っぽいスイートピーやチューチップ、ラナンキュラスなどと合わせるのもおすすめです。

飾るときに注意した方がいいポイントは、”桃は乾燥に弱い”ということ。
ツボミのうちにエアコンの風などに当たってしまうと、
せっかくの花も咲かなくなってしまうので、エアコンの風だけは注意して、置き場を選んでください。
また、咲くときはすごくパワーを必要とするので、
そのパワーの源である栄養(糖分)があるとよく咲くようになります。

よくインターネットのサイトでは、糖分だから砂糖を入れる、などと書いてあったりするのですが、
砂糖を入れると今度はバクテリアが繁殖しやすくなって、
枝の導管が詰まって水を吸い上げなくなってしまいます。
そのため、抗菌剤と栄養がバランスよく配合された市販の栄養剤がいいと思います。
栄養が足りないと、花が青っぽくなる「ブルーイング」という現象を起こします。
咲き始めでこの現象が起きたら栄養不足、咲き終わりでもブルーイングが起きたら、
そろそろ花の寿命が終了ですという合図です。

みなさんも是非、ポイントを押さえて、お家でハナモモを楽しんでみてはいかがでしょうか♪

ということで、今回は「ハナモモ」にフォーカスしました。

来週のハナラボもおたのしみに!

みなさんさんからのお花への質問も、是非お待ちしています♪
sun@fmyokohama.jp まで!

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