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NITTEN ハナラボ 第81回「おすすめの本『幕末日本探訪記』」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売していらっしゃる、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

夏休み、帰省の移動中の電車の中など、読書の時間を確保しやすくなる方もいらっしゃいますよね。
そこで今回は、植物に関するおすすめの本をご紹介します。

今回ピックアップしたのは、スコットランド生まれで植物学者のロバート・フォーチュンが書いた
『幕末日本探訪記』という本。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000150909
1年ほど、日本と当時の清国(今の中国)を中心にロバート・フォーチュンが
48歳の時に植物採集の旅行にでかけたときの探訪記です。



ロバート・フォーチュンは、珍しい花や植物を探し歩くプラントハンターとして、
東インド会社から中国へ派遣されて、その時チャノキ(お茶の木)をインドに持ち出して
お茶の増産に成功させた立役者。1859年に日本が開港(横浜、長崎、函館)したことを聞いて、
中国にいたフォーチュンや「よーし!日本へ行くぞー!」と来日しました。
最初は長崎に着いて、もうその瞬間に
「ここの住人は(どのおうちにも花壇があって小規模だが清楚と)花好きであるぞよ」と言っています。

横浜、川崎も訪れたとあります。当時の横浜の街の様子を事細かに描写しています。
外国人相手に中央に発展した広い繁華街があって、豊富な物産がいろいろ陳列、販売されている。
青銅、象牙の彫刻、漆器を売っている、またどういう家に住んでいて、どういうおもちゃや本を売っている、
など園芸家としての視線ばかりでなく気候や歴史、生活文化・生活様式、混浴のような文化にも、
日本人の生活に欠かせない一般的な文化だと理解を示したり、
日本人の反応を中国人と比較したり、とても深い洞察力で細かく描写されているんです。

目的のプラントハンターとしてのお仕事はできたんですが・・・
おびただしいコレクションの収集に成功したと言っています!
神奈川では、どの家にもささやかな庭があって、あるおうちでは見事なキクを見つけたので、
どうしても欲しいけど育てている人の楽しみを思うと、譲ってくださいというのは申し訳なかった。
でも以心伝心したのか、お金を払えば好きなだけ持って行っていいよという
ジェスチャートークがあって、すぐに仲良しになって売ってもらった、とあります。

外国人の目を通して、江戸時代の日本の様子を知ることができる本。
ロバート・フォーチュンの「幕末日本探訪記」
是非この夏、読んでみてはいかがでしょうか♪


来週のハナラボもおたのしみに!

みなさんさんからのお花への質問も、是非お待ちしています♪
sun@fmyokohama.jp まで!

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