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NITTEN ハナラボ 第65回「さくらを3倍楽しむ方法」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売していらっしゃる、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

3月27日は「さくらの日」だったのですが、サクラシーズンも終盤ですね。
今回は、これから3倍楽しむ方法をご紹介します。



サクラは、全部で300種くらいあるといわれています。
江戸末期から明治の初めに、染井という今の東京の巣鴨の辺りで改良されたのも、
それもヨシノザクラを改良した園芸品種なのでソメイヨシノといいます。
ちょうど今の時期に満開を迎えますね。葉が出る前に大きな一重の花が開花するのが特徴です。
日本に植えられているサクラの8割はこのソメイヨシノいわれていて、 気象庁が発表する桜前線の標本木になるのもこのヨシノザクラですよね。
でも市場で最も流通するサクラはヨシノザクラではないんです。

国内で切り枝として市場流通するのはだいたい50品種くらい。
川崎の馬絹地域からもとても立派な、ヨシノザクラとか八重桜とか出荷されるのですが、
実は流通量が最も多いのは、ケイオウザクラなんです。
淡いピンク色でソメイヨシノより花が一回り小ぶりなもの。
このケイオウザクラが全体の6割くらい。山形県が全国的に大産地として有名ですが、群馬県などからも出荷されます。

市場流通の品目はなんでもそうですが、季節を先取りして花が出荷されますので、 もう12月からケイオウザクラが流通し始めるんです。
4月になるとケイオウザクラはそろそろ終わりで、 これからは八重桜とか、ピンク色の濃い陽光桜などにとって代わっていきます。
数量は少ないのですが、珍しいところで緑色の御衣黄などもあるんです。

また、いまからでしたら、見上げて楽しむ桜だけでなく、 花びらが散って川に浮かび、水面一面がピンクになる花筏を楽しんだり、 あるいは桜の香りを楽しむ方法もあるんです。
サクラの花自体は香りはしないのですが、 花びらや葉にクマリンという香気成分が含まれているんです。
そのまま鼻を近づけても香りがいないのですが、レンジで温めるとほんのり香りがします。
香りの強さは品種によって違います。ソメイヨシノは本当のほんのりと。
桜餅に使うのは、もう少し、狩薫品種を使ったり、塩漬けすることで香りを引き立ています。

もともと、日本には昔から神様と一緒に食事をする習わしがあります。
季節ごとに神様とお酒を飲んで、ごちそうを食べ、春であれば桜の木の下で豊作を祈り、お酒を飲んだりしていました。これが花見の起源なんです。
桜が満開の時期には、桜の木の下で稲の豊作の願掛けをして、 散り方を見てその年の吉凶を占ったといわれます。
桜を愛でるという文化は春の到来を祝うとともに、その年の豊作や幸せを願うものといえるでしょう。
でも、まだ朝晩は結構肌寒いし、桜の木の下で食べたり飲んだりというのも若干敬遠されますが、
暖かいご自宅に桜を飾って、 温かいおうちでゆっくりお花見というのもいいかもしれませんね。

ということで今回は、「さくら」にフォーカスしました!
来週のハナラボもおたのしみに♪

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