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NITTEN ハナラボ 第60回「花桃について」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売していらっしゃる、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

今回はもうすぐやってくる3月3日「ひな祭り」にちなんで、花桃をご紹介したいと思います。



3月3月のお節句は旧暦の日付で、いまの新暦にすると 4 月中旬から下旬に当たるんです。
そのため、4月下旬といえば花桃も咲いていて、お節句に庭木を切って飾れたんですね。
でも今の3月3日というとまだ肌寒くて、全然咲いていないわけです。
でもニーズはある。そこで・・・促成栽培しているんです!
ヒアシンスはオランダから取り入れた技術ですが、桃の場合は日本のオリジナル。
まだツボミが硬いうちに畑から切ってきた桃の枝を、
温度と湿度を上げたあたたかい場所に入れて、ツボミを大きくさせて、
消費者のおうちで咲かせるという仕組みです。
温度と湿度上げるといっても、 昔、エアコンのない明治、大正時代は簡単ではなかったので、
地下室をつくったり、 斜面に穴を掘ったりして室(むろ)と呼ばれるスペースを作り、 その中で麦ぬかを発行させて加温したりしていました。
昭和になるとヒーターや加湿器を入れたりして、温度と湿度を上げて、 モモが咲きやすい環境を作っていたんです。
この室での促成栽培は、神奈川県でもとても盛んで、川崎の馬絹地域が全国としてもとても有名。
地質が安定した関東ローム層ならではの技術のようです。
昔からの馬絹の生産者さんたちは地下と新しい施設を作って両方使っていらっしゃいますし、
比較的新しい花桃の産地では集荷所などに温度、湿度をコントロールできる施設を作って、 自動制御装置を使って桃の開花調整をしています。

上手なところの花桃を見分けるためには、 ツボミを見るということです。
ふっくらと丸く柔らかそうなツボミが付いていて、 しかも色付いていること。できれば何輪か咲いていれば安心です。
ツボミが色づいていなくて堅そうなぶつぶつが付いていて、 幹肌も黒くてごつごつした感じですと、咲くか心配になってしまいます。
また、桃が咲くとき、咲き続けるときにはすごいエネルギーを使います。
エネルギーが足りないと、ブルーイングといってちょっと青っぽく、 紫がかって花を終わらせてしまいます。
そうならないようにするためには切花栄養剤を使うことをお勧めします。
ほかの花より栄養が必要なアイテムなので水だけですと、栄養失調になりやすいかも。
そして花桃の開花調整の時は乾燥に弱いため、湿度を上げるんです。
おうちでもエアコンの直撃を避けて飾るようにしましょう。

来週のハナラボもおたのしみに♪

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