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NITTEN ハナラボ 第52回「大門松の鑑賞法について」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売していらっしゃる、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

みなさま、新年明けましておめでとうございます!
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

さて、今回は、今しか見られないとっておきの大門松の鑑賞法をご紹介します!



大門松は、松と竹が組み合わさって商業施設や大きな企業の入り口に置いてありますが、
形にパターンがあって、 それぞれに意味することが違うんです。

門松の起源は中国の唐の時代まで遡り、それが平安時代に日本に伝わったのですが、
室町時代には今、私たちが見るような、青竹三本の周りに若松で囲い下部を竹やワラで巻いて仕上げる形状で、屋敷の大きさにあわせて飾るようになりました。

この時のスタイルが今でも引き継がれているのですが、竹の切り方が2種類あって、
斜めに切ったものと、スパッと真横に切ったタイプがあります。
みなさんはどちらを見かけることが多いでしょうか。
斜めに切ったものを「ソギ」(そぐから)といって、 これは関東でよく見れます。
一方、平らに切ったものを 「寸銅」(ずんどう)と呼んで、これは関西に多いんです。

寸胴が原型で、ソギは徳川家康の敗戦に関係していると言われます。
家康が生涯唯一の負け戦として知られる武田軍との戦(三方ヶ原の戦い)から生まれたスタイルなんです。
浜松城に逃げ帰り、新年を迎えた家康に、武田軍の武将が嫌味な一句 (「松枯れて竹たぐいなき明日かな」)を送って、 それに激怒した家康が自分の家の門松の竹を切り捨てました。
やがて戦況は変わって徳川が優位になっていくと、徳川についていた武将たちも開運のために門松の竹にソギを入れるようになったと伝わっています。

でも、そんなソギか寸胴か以上にチェックしてほしいのは、竹の組み方です。
竹の並び方で、対になった竹の内側が高いか、外側が高いかをチェックしてください。
対になった竹の中で、一番高い竹の位置が内側か、外側かでそのパターンが分かれます。
内側の竹が一番高い場合、いわゆる「内高」の場合、 カタカナの「ハ」の字のイメージになります。
これは内側から何かを外に出す、 つまりウチを守る、災いを外に追い出すという意味が込められています。
一方、外が一番高い外高は逆ハの字になります。
これは外から内側に引き込む、外から福を呼び込むという意味が込められています。

どちらが正解ということはないのですが、見ていると、普通のご家庭や企業では災難から家や会社を守るという意味で、内高・ハの字が多いように見受けられます。
全体的にもこれが多いかもしれません。
一方、デパートや商業施設などの小売り屋さんなどは、外高の逆ハの字のことが多いでしょうか。
千客万来でたくさんお越しくださいという願いが込められているのだと思います。

注目して見ていくと面白いですね。
初詣や初売りなどにお出かけの際、ぜひチェックしてみてください♪

来週のハナラボもおたのしみに♪

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