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NITTEN ハナラボ 第50回「ヤドリギについて」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売していらっしゃる、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

今回は、ヤドリギについてのお話です。
ヤドリギといえば・・・海外では面白い「言われ」があるのですが、
みなさんご存知でしょうか??



ヨーロッパでは、「ヤドリギの下に立っている女の子にキスしてもいい」と言われていることから、
イギリスではヤドリギの花言葉は「Kiss me」だったりするのですが、
ヤドリギの下でキスをすることで永遠に結ばれるという言い伝えがあります。
またキリスト教以前の北欧神話から、ヤドリギには病気を治すなどの神秘的な力が 信じられていて、
今でも神聖なパワーのある植物とされているんです。
また、モミの木、ヒイラギなどと並び、クリスマスの代名詞に使われます。
共通点は常緑樹であること。
太陽や自然の力が弱まる今の時期は、生命力を感じる常緑樹に永遠の命のシンボルとしてクリスマスに使いました。
ヤドリギは、春も夏もあるのですが、冬になると宿られている木(宿主)が落葉して、私たちもヤドリがあることに気づくというわけです。

身を触って潰してみると、きれいなのにねばねばしているんです。
このねばねばが生命力のポイントなのですが、鳥がこの実を食べても、この中に入っている種子はこのねばねばに包まれて消化されずに、
お尻からプッと出て、また別の植物に寄生して育っていくというわけです。

実はヤドリギは日本にも昔からあって、万葉集や枕草子でも 「いとあはれなり」なんて謳われているんです。ちょっと意外な感じしませんか?
また、ヤドリギはその名の通り寄生植物 (ほかの植物に寄生して栄養分を吸って生長していく植物)なので、 法律上、海外のものは輸入できません。
なので、日本のお花屋さんで見かけるヤドリギは全部国産。
ヤドリギは高いところになるので、生産者さんやはしごやロープなどを駆使して、 木に登って、ヤドリギを切り出しているんです!

神奈川県の住宅街の中で、大きく育った木になったヤドリギを見たことがありますし、
サクラやケヤキ、エノキなどに寄生するので、意外と皆さんの近くで見つかるかもしれません。
落葉する冬の方が見つけやすいですが、高い所にあるため危ないので、
自分で取りに行かずに、ご利用になる場合はお花屋さんでお求めになることをお勧めします。

来週のハナラボもおたのしみに♪

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