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NITTEN ハナラボ 第42回 「ダイヤモンドリリーについて」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売していらっしゃる、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

今回は、この季節だけ楽しめるキラキラとダイヤモンドのように輝く花、
ダイヤモンドリリーをご紹介します。


花弁の表面がキラキラしている、ダイヤモンドリリー。
このキラキラは花弁に含まれるでんぷん質によるもの。
このキラキラと上品な美しさ、華やかな存在感から10月中旬から11月中旬にかけて、
1年のうちでもこの1か月間に集中して出荷されるだけなのですが、市場ではとても人気のお花。
南アフリカは世界でも有数のダイヤモンドの鉱山のある場所として知られますが、このダイヤモンドリリーも南アフリカ出身!
本物のダイアモンドとは無縁ではないのです。

ダイヤモンドリリーが生まれ故郷の南アフリカを飛び出して世界に流通するようになったのは、あのロスチャイルド家が関係しています。
ロスチャイルド家といえば、19世紀末から20世紀初頭にかけて、南アのダイヤモンド鉱石採掘に大きな投資を行い、
ダイヤモンドのデビアス社設立の際に多大な支援をした財閥。
実は、その英国のロスチャイルド家が、ダイヤモンドや金の鉱脈を掘り当て、英国に送るのと一緒に、ダイヤモンドリリーも持って帰ってきたそうです。
ちなみに、ダイヤモンドと一緒に南アから持ってきたダイヤモンドのような輝きを放つユリのような花だから、ダイヤモンドリリー!
英国人が命名されたそうです。
ただ、いざ育ててみると開花率も生産性が悪かったので商売にならず、趣味の範囲の花に。
ロスチャイルドは手放して世界各地の趣味家の手に渡ったそうです。
そして、東は日本へもやってきて、その時の日本の園芸家たちはみんなで分けて球根を管理しようということになりましたが、
ひとつの品目が複数の人の手に渡ってしまうと、 遺伝子管理が難しくなってしまうからと、ある人が一括して種苗管理を引き受けました。
この方が、横山さんという東京の方。
生産性が悪いのはわかっていたらしいのですが。 今でも、そのご子息がダイヤモンドリリーを大切に管理しながら、生産販売しています。
恐らくは品種数でいけば、世界でもその東京の横山さんのところに最も多くダイリリが集められていると言われています。
商売にならないと言われて、 ビジネスから手放されたダイリリを、それほど一生懸命品種改良をしている人も、横山さんをおいて世界ではあまりいないと想像できますね。
横山さん曰く、「きれいな花をつけるのに、儲からなかったダイリリにとって、 日本は流転の地」との事。
ダイリリは流通期がとても限られているものですし、 バラやキクのような大品目と違ってたくさん流通するものではないですが、
今の時期ならお花屋さんで出合える確率は大です!

南アフリカでダイヤモンドのように輝いていたダイヤモンドリリーの流転の地、 日本で、いまとても人気を博しているダイヤモンドリリー。
ダイヤモンドは高いけど、ダイヤモンドリリーなら買えるかも??
ダイヤモンドリリーを探す旅にぜひお花屋さんで足を留めてみてはいかがでしょうか。

来週のハナラボもおたのしみに♪

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