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NITTEN ハナラボ 第35回 「キクの節句について」

花のトレンド・販売データなどを調査・分析して販売していらっしゃる、
株式会社 大田花き 花の生活研究所の内藤育子さんに、
お花に関する様々なことを伺っていくハナラボのコーナー。

9月9日は「重陽の節句」
重陽の節句は、中国の発祥のおめでたい日で、キクの節句ともいわれますが、
五節句の中でもっともなじみが薄くてぴんと来ないかもしれませんね。


もともと中国ではキクの花を見て楽しんだり、キクの花を浮かべたお酒を飲んだり、
キクの詩を読んだりして、健康と長寿を祝うイベントだったんです。
キクは日本の花のイメージがあるかもしれませんが、 実は中国が原産地で奈良時代に遣唐使によって日本にもたらされました。
同時に重陽の節句も伝わり、ここが日本人とキクとの原点との事。

パスポートにもキクの花が描かれていますし、天皇家の紋章もキクですよね。
天皇家の紋章は十六弁八重表菊といって、16枚の花弁とその下にさらに16枚の花弁がある八重のもの。
天皇家の紋章にキクが使われるようになったのは鎌倉時代からです。
鎌倉時代に後鳥羽上皇が中国から渡ったキクをめちゃくちゃカッコいい!といたくお気に入りになって、
ご自身の衣服や刀、調度品、車(牛車)などの身の周りのものに キクのマークを付けていたんです。
まさに「私のマークです!」と気に入ってあちこちに使っていたのが、のちの上皇、
法皇に引き継がれ、皇室の紋章として定着したといわれます。

皇室の菊の紋章が国章になっているのですが、日本国民であることを証明するパスポートに使われているのは全く同じデザインではありません。
十六一重表菊(じゅうろくひとえおもてぎく)という呼ばれるものです。

重陽の節句は旧暦の9月9日なので、現在の暦に直すとまだ暑いですし、キクの季節にはちょっと早いんですよね。
本来、彩り豊かなキクが流通するのは10月から11月。
それに先駆けて、重陽の節句を機に日本人とキクのかかわりについて、ご紹介いたしました。

来週のハナラボもおたのしみに♪

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