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演出家「西本由香さん」

今回は、演出家の西本由香さんにお話を伺いました。

子供の頃は漫画家志望だったという西本さん。
高校1年生の時に観た、三谷幸喜さんの【笑の大学】がきっかけで演劇に興味を持ち、日本大学芸術学部 演劇学科 演出コースへ進学される。
(笑の大学の三谷幸喜さん、演出の山田和也さんが日大芸術学部のご出身であった)
劇作コース、書くことと悩まれたということですが、特に人と人との間で行われる仕事に興味があり、演出コースを選ばれたという。

そして、演出を仕事にしていくための道を考えていた頃、きっかけとなった演出家の山田和也さんが日大芸術学部に講師でいらっしゃるということに!!
「来るらしいという話を聞いた時は、『えらいこっちゃ!』という感じで非常にテンションが上がったことを覚えています」
その恩師よりアドバイスを受け、文学座の研究所を受験、研修科、準座員を経て座員へ昇格され、今に至る。

2019年には、文化庁新進芸術家海外研修制度によりドイツ(ベルリン)で1年間過ごされた。
1本のお芝居を、稽古初日から立ち上げる現場に参加して、コミュニケーションを取りながら、現場の細かいことを手伝うという毎日だったという。
「ドイツ語が不自由という点で、難しいなと思う所もあったのですが、日本で稽古や立ち上げてきた経験から次に何が起こるかは言葉が分からなくても理解できたので、先回りして準備したり動くとちょっとしたことで驚かれたり喜ばれたり、言葉のハンデがある分、思った以上に評価されるということがあって、くすぐったくも面白いなと感じる部分でもありました」
この経験は、自分の生命力や底力を感じた時間でもあったということで、「一番初めに劇団に入った、右も左も分からなかった頃と同じような興奮であったり、”今何ができる”ということを、ある種切羽詰まった状況の中で探し立ち向かっていくという意味で、自分の底から湧き上がってくる対応力や生きる力を感じた1年でした」

”現場で起こっていることを見逃さずに、それでいて自分一人の頭の中で考えたことに固執しない”
「考えることは考えるのだけれど、それプラス、他の人の目や他の人の考えていることを、どう面白がっていくか、いつも開かれた状態でいることを心掛けています」


◎西本さん演出作品【黒い湖のほとりで】1/27(金)~31(火)
 池袋シアターグリーン BOX in BOXシアターにて上演

4年ぶりに再会した2組の夫婦。自ら死を選んだ子供たちが残した言葉は永遠に解き明かされることのない問いとして四人の前に投げ出されている。 堂々巡りする「なぜ」。 もう決して解り得ないものをそれでも解ろうとする極限状態の中で繰り返される後悔と疑惑、欺瞞、自責他責の言葉。 やがてその言葉の群れは四重奏となり湖に広がっていく。(あらすじより)
「これはドイツの戯曲ですが、人間が根本的に持っている孤独だったり、にもかかわらず他者を求めてしまう愛というものに対してや、そういうものについてすごく普遍的な問いかけをしている作品だと思います」

チケットのお申込みなど詳しくは、【黒い湖のほとりで】サイトをご覧ください。


◆なでしこの素◆
演出家、西本さんの必需品がこちら!!

1日5,6杯飲むというコーヒー。チョコレートは最近、アーモンドがお気に入り♡
通し稽古には必須のストップウォッチ。最近は演出助手の方が計ってくださる。
ペンはフリクション!

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