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ペット陶磁器アーティスト「大木しのぶさん」

今回は、ペット陶磁器アーティストの大木しのぶさんにお話しを伺いました。

この分野の第一人者、日本で最初のペット絵付け陶磁器専門アーティストでいらっしゃる、大木さん。
「陶磁器が好きで、自分で陶磁器に絵を描く趣味をカルチャーセンターで習い始めました。ちょうどその頃、チワワを飼い始めたのですが、その子があまりにも可愛かったので、ぜひこの子を作品に描いてみたい。それが一番初めのきっかけでした」

カルチャーセンターで絵付けの技術を身に着けていかれますが、そこで描くのは花や果物ばかりで、動物を教えてもらえない。ならば、自分で描いてみよう!と大木さん。しかし…紙と違い、ツルツル滑る器の面に描くことはなかなか難しく、何度描いても可愛く描けなかったという。
「どうしたらいいのか、いかにうちの子を可愛く描いたらいいか、ということを追求していたら今に至りました」

元々陶磁器がお好きだったという大木さんですが、陶磁器は何百年経っても、その輝きが色褪せないもの。大事な愛犬をずっとずっと残したいという想いから、キャンバスに陶磁器という素材を選んだということです。




改めて、陶磁器への絵付けの技術とは。
「焼き物のアートになります。絵の具も窯で焼いても燃え尽きない特殊な顔料を使いますが、絵を描いて、窯に入れて出して、また描いて窯に入れて、ということを4回も5回も繰り返して、絵に奥行と深みと立体感を与えていく。時間のかかる、アナログなアートなのです」
表情のある作品ゆえ、それがなかなか決まらないと、長い時には、1作品に1年かけることもあるのだそう。
「表情のある作品は自分の心が沈んでいると、表情も沈んで描けてしまうので、常に自分の心を豊かに楽しくいられるように心掛けて、作品を手にした方が第一声で『可愛い!!』『うちの子だ!!』と思ってもらえる、理想としては、呼べば振り向いてくれそうな存在感と温かみのある絵を描きたいと思っています」

「特に”目”が一番大事で、お写真によっては、ワンちゃんの瞳の中に飼い主さんのシルエットが映り込んでいることがあるのですが、そういったものも忠実に写し取り描いていますので、一筆一筆に心を込め、魂を込めて、100年後にアンティークになったらいいなという想いも込めて製作しています」

2020年には、横浜の市民の生活・文化に寄与する優れた技能職者に贈られる《横浜マイスター》に選出され、横浜を代表する匠として、その技術を後世に伝えるため、小学校や地元自治会で絵付けの体験イベントなどの活動も行っていらっしゃいます。
又、横浜港と海外姉妹港の締結周年記念の際には、記念絵皿の製作を担当されており、こちらは、今年の5月にハンブルク港姉妹港締結30周年記念時の作品です。

お皿の中央にはみなとみらいと富士山。周囲には横浜の四季が描かれ、春・山下公園のバラとベイブリッジ/夏・みなとみらいの花火大会とインターコンチネンタルホテル/秋・三溪園の紅葉/冬・氷川丸と雪が。
そして、両港の更なる発展と結びつきを願い、船のロープで【結び】模様を。伝統的な和の吉祥模様を折り込んだデザインとなっています。
(記念絵皿はハンブルク港へ寄贈されましたが、復刻版が横浜みなと博物館に展示されています)

大木さんの夢は、海外で個展を行うこと。
「(上記の)記念絵皿が先に海を渡りましたが、私も海を渡って、海外の方にもペット陶磁器の可愛らしさや愛らしさ、手にした時の笑顔を皆さんにお届けしたいなと思っています」

◎2023年5/10~14、たまプラーザ ギャラリーきのわにて個展開催(作品販売・オーダー・展示)

大木さんの作品やオーダーのお問い合わせ、レッスンについてなど詳しくはホームページインスタグラムをご覧ください。


◆なでしこの素◆
飼い主さんの心を癒す仕事もしていきたいという大木さん。最近リクエストが多くなっているというのが、メモリアルグッズ。
「虹の橋を渡ってしまったワンちゃん・ネコちゃんのためはもちろんなのですが、元気なうちに、記念のものとしてメモリアルポットを描きたいという飼い主さんも多くいらっしゃいます。星を入れたりきらきらデコったり、いつも見ていられるような作品です」

こちらは、大木さんの愛犬を描かれたもの。いつも一緒です。

大木さんのお道具。筆の種類にも驚きです!!

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