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たまプラーザ駅徒歩2分図書館(ぷらに)主宰「青柳志保さん」

今回は、たまプラーザ駅徒歩2分図書館、通称【ぷらに】を運営されている、青柳志保さんにお越しいただきました。

昨年1月に開設された【ぷらに】
一人で来られる小学生から25歳の方が入れる私設図書館となっています。
元々この場所で、Studio Chiffonという動画配信スタジオの経営をされていた青柳さん。新型コロナによる緊急事態宣言が発令された際、中学生の息子さんが休校で行く場所がなくなってしまった為、スタジオで遊んだらどうかと声を掛けた所、「期間中友達5,6人とスタジオで過ごしていたのですが、その様子を見ていて、”居場所が必要だったのだな”と感じました」

図書館という形になったのは、青柳さんが本が好きであったこと。何かをインプットするような居場所作りをしたいと思ったからだという。

そして、家でも学校でもない、子どもが気兼ねなく寛げるような第3の場所(サードプレイス)の必要性を感じられたそうです。
「不登校を含めた学校でのこと、家でのハラスメント行為もありますし、色々な悩みを抱えている子どもがいます。子どもたちが、大人や学校や塾や習い事ではない所で過ごす場所があれば、また元気になって(学校や家庭の)社会に戻れるようになるのではないかと思ったのです」

【ぷらに】には、モデルとなった図書館が。
「Studio Chiffonで、社会的弱者を応援する人にインタビューを行っているのですが、そこでお話を聞いた《衣笠駅徒歩1分図書館》オーナーの北川幸子さんという方が、同じく居場所作りをされていて、図書館を通じた子どもと若者の難を取り去りたいという想いに感銘を受けて、私も図書館にしよう!と決め、名前を踏襲させてもらいました」

【ぷらに】のポリシー。
一つはGive&Give!!
「Give&Takeではなく、ギフトエコノミーという所に繋がるのですが、ひたすら自分がプレゼントし続けることで経済が回るのではないかという考え方です」
そして、Give&Giveをしていると、何故か自身にもGiveが来る。「子どもたちにひたすらGiveをし続けることによって、私たちが歳を取った時に、彼らから何かをGiveされるはずなのです。それは税金や社会の仕組みが変わったということではなくて、必ず戻ってくるものだと思う。その可能性があるのは子どもしかないので、この場所をオープンしてひたすらやり続けます」
つまり、お裾分けすることを優先し、幸せの循環を実践されている。

もう一つはペイフォワード(Pay it Forward)。
受けた親切を他の人物への新しい親切で繋いでいく。又は、多数の人物が親切の輪を広げていく為の運動というように訳されますが、「ボランティア活動に似ているという方もいらっしゃるのですが、その更に奥に行きたい。何かをしていることが全く分からないということがとても崇高だと思っていて、皆が自分に関係のある人だけではなく、自分の全く関係のない人たちに、寄付や寄贈をしたり、気持ちを送ったりすることは本当は一番大事だろうなと思っています」
と言うように、図書館の本は全て寄贈によるもので、誰かが、子どもと若者たちのために寄せてくれた大切な本(読ませたい本)が集まっており、1年間で4,000冊、現在5,000冊を超えているということです。

又、【ぷらに】の特徴として、大人の目が入らない子どもたちの居場所として存続させる為、通常、大人は入館・見学はできません。青柳さんもあれこれと介入はしないということ。
「介入するとすれば、『お菓子食べる?喉乾いた?』という程度です。何をしていても構わないですし、大人がこうしなさい!ということを無くすだけで、子どもは自立するんですよ。それから、ここにお金が発生しているかしていない場所かというのも、子どもは分かっています。唯一、本は寄贈されたものだということは伝えていますが、それ以外に関しては一切言わないと、想像力を働かせてこの場所での立ち居振る舞いを決めているようです」

常連さんがいる【ぷらに】
「ここが大好きな子の中には、歩いて30分位かけて来たり、電車を乗り継いでくる子もいます」
「それから、最近肌で感じるのが、LGBT、自分の性が何だか分からないという方が多いです。例えば女の子だけれど自分のことを『俺』と言う子がいたり、完璧に自分は男性だと思っているけれど、体はどうしても女性らしくなってしまっている子や、男の子だけれど髪の毛が非常に長い、話し方がちょっと違うとか、もうスタンダードです。当たり前なので、子どもたち同士、相手のことに対して嘲笑したりということはなく、一人の人間として認める時代になっています」
大人の目を通すと、もしかしたら違う表現がなされるかもしれない。だからこそ、なるべく大人が関わらないことが大事だと青柳さん。「彼らが世の中を作っていくわけですし、自分たちの考えをもっと前に出していいよという気持ちでいます」誰も何も言わない場所で考えていけば、自分の気持ちが決まっていく。そんな想いを持って運営されている。

先にお伝えしたように、【ぷらに】に寄せられる本ですが、とても”美しい本”が届くという。
「『子どもに読んで欲しいと思う本をください』とお願いしているのですが、その通り、読んで欲しい本や捨てられない本だと思うのです。買取店に持っていくこともできたと思うのですが、誰かに読んで欲しい、自分の心に置いておきたいという本、そして【ぷらに】が残れば、自分の本は必ずここにあるという”想い”がある本ばかりで、足を運ばれた方からは、凄くいい所だねっと言っていただきます」

たまプラーザ駅徒歩2分図書館【ぷらに】は、水・金・日曜日の午後開館。
不定休もありますので、Facebookページインスタグラムでご確認ください。

<イベントも開催>
●ぷらに移動図書館ノーボーダーDAY
障がいのあるお子さんと保護者の方、そのご兄弟。(グレーかなと思われる方も入れます)
日時:毎月第2日曜日(13:00~16:00)
●ぷらに移動図書館おばーちゃんと一緒
地域で独居のおばーちゃんたちがホストの未就学児向け移動図書館。
日時:2022年8月15日(月)(9:30~11:30)
※不定期開催
会場:たまプラーザ地域ケアプラザぷらざる~む

動画配信スタジオStudio Chiffon(ぷらに併設)ホームページ


◆なでしこの素◆
本好きの青柳さんがお持ちくださったのが、こちらの上下巻。
「西洋史、演劇史を学ぶのに良いと思った」と、13歳の時、新宿の紀伊國屋で購入されたというご本!!

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