ファンケル ヨコハマなでしこ - Fm yokohama 84.7

女優「郡山冬果さん」

今回は、文学座に所属されている、女優の郡山冬果(こおりやま・ふゆか)さんにお越し頂きました。

小学校で演劇部に入った郡山さん。
6年生で部長も務め、この先も「やる気満々!!」だったそうですが、中学に入ると先輩から演劇部がなくなってしまったと聞かされる。「バレーボール部凄く楽しいから、入りなよ!と言われて入ってみたら、演劇部は普通に学校にあって、結局先輩に騙されていたのです」
3年間バレーボール部に所属しますが、父である落語家の柳家小三治さんが当時学園もののテレビドラマに出演しており、「おい、元演劇部!おまえも行くか!」と誘われてスタジオへついて行った所、演劇魂に火が付いたという。「生徒の役をやっている私と同い年くらいの皆が、活き活きとお芝居をしている姿を見て、『私もやりたい!!!』と思ってしまったのです」

「高校は行きたくない!中学を出たらすぐ役者の道に進みたい!」と心に決めた郡山さんですが、驚いた両親から止めが入り、お父様の知り合いの元俳優さんを紹介される。そこで言われたのが、女優を長くやりたいのであれば、きちんと勉強して長いスパンで考えた方が良いということ。又、その元俳優さんが文学座研究所出身だったという縁もあり、高校卒業後、文学座附属演劇研究所に入所される。
文学座に入るために高校の卒業資格が必要だったこともあるが、高校でしかできない経験も大切だと背中を押してくれたその元俳優さんに対して、「その様々な助言がなければ今の私はいないと思う」恩人だと振り返る。

そして、飛び込んだ世界。
「まあ、面白い大人たちが劇団には居て、こんなユニークな人たちがいるんだと、18,19歳の私には新鮮で毎日が楽しかったです」

ある時は、裸足で歩け!という俳優さんが。
”裸足で地面を踏みしめてみた時の土の温かみやヒンヤリとした感覚、それが芝居には大事なんだ”という教えであったり、「学校の先生とはまた違ったことを教えてくれる人が沢山いて、素敵な先輩方に囲まれて、良い劇団に入ったなと思っています」

これまで、読売演劇大賞 優秀女優賞などにも輝いていらっしゃる郡山さんですが、女優の面白さについては。
「”郡山冬果”という人間は一つしかありませんが、色々な役をもらうことで、全く自分の人生では味わえないものを味わうことができたり、色々な人になれるというのは、もう面白い」”本に書かれているこの人は、本の裏では何を思っているのだろう””どんな人生を今まで送ってきたのだろう”といったことを考えるのが本当に楽しいという。
「正解も不正解もない。私のフィルターを通して私がこの役をやれば、他の人とは違う役になる、というのもまた面白いです」どうやっても、全部正解なのではないかという気はする。本番までにどんな自分ができるのか、それが毎回楽しみだと仰る。

●郡山冬果さん出演作品●
文学座公演【田園 1968】
2022年 6/17(金)~25(土)
東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
◎チケット絶賛発売中◎一般の他、夜割・夫婦割・ユースチケット・中高生もあり。チケット料金が異なりますので、詳しくは<文学座チケット専用ダイヤル>℡0120‐481034(10:00~17:30/日・祝除く)文学座オンラインチケット 他

時は1968年。ベトナム戦争の激化、キング牧師、ロバート・ケネディーの暗殺、フランス5月革命。日本でも学生運動が激化するなど、世界は大きく揺れていた。そんな時代の中で、とある地方都市に住む、家族とその家族を取り巻く人々の物語。社会の底辺に生き、はみ出した人間たちを、骨太かつパワフルに描く、東 憲司による書き下ろし作品です。(イントロダクションより)
【田園 1968】公演チラシ

「戦前生まれの底抜けに芯の強いおばあちゃんが居たり、それぞれの悩みを抱える孫たちや、これからの人生をほんの少しだけ変えたいと、自分の心に小さな革命を起こすような人たちや、色々な人たちが登場します。昭和を舞台にしていますが、今の世の中にびっくりする程心に刺さる言葉が、物語の中に沢山散りばめられていて、どこか滑稽で”明日から頑張ってみようかな”と思えるような作品になっています」
郡山さんの役どころは、(ネタばれになってしまうのでザックリと)「この家の家族ではないのですが、”田園を駆け抜ける風”のような役と言っておきます!」


◆なでしこの素◆
「必需品はメガネです!家には何本もあって、体調によって使い分けています♪」
ケースは、お母様のご友人からもらったものだそう。

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