今回は、カメラマンでPhotostudio-Home（フォトスタジオ・ホーム）代表の葛谷舞子（くずたに・まいこ）さんにお越し頂きました。

葛谷さんがカメラマンになるきっかけは、学生時代に出生前診断の記事に衝撃を受けたことだと仰います。「出生前診断は、胎児に障がいがあるかどうかを調べる検査ですが、胎児がダウン症と分かると、中絶する人が約9割という内容でした。私は幼い頃から、ダウン症の友達がいましたので、ダウン症の子の良さを知っています。『ダウン症のことをもっと知ってもらえれば、生まれてくる命が増えるのではないか』と思い、まいちゃんというダウン症の女の子を紹介いしてもらって、学校や家庭での生活を撮影させてもらいました」
すると、葛谷さんが撮ったまいちゃんの写真が、コニカの賞に入選し、写真展を開催してもらえることに。「その写真展が好評でして、ダウン症や知的障がいのことを知ってもらえるいい機会となったのです」
この体験を通して葛谷さんは、”身近にある声を届けたい”と、カメラマンになることを決めます。

自身のスタジオを立ち上げたのは2013年のこと。
「出会った時、7歳だったまいちゃんが20歳になって、障がい児の成人を祝う会に呼んでくれたのです。そこで、子供たちが可愛くて撮影をしていると親御さんから、『この子たちは、普通の写真館で上手く撮ってもらえない。葛谷さんなら、この子たちのことを分かってくれるから、可愛く撮ってくれるはず！是非、写真館やってよ！』と言って頂いたのですよね」
当時、雑誌のカメラマンだった葛谷さんですが、「考えると、この子たちによって私はカメラマンにしてもらえ今がある。写真スタジオを開いて恩返しをしたい」繋がりのある子どもたちに直接恩を返すことができなかったとしても。同じ思いをしてるいう子供たちや親御さんに返したいという気持ちから、”障がいのある人もない人も、誰でも安心して楽しめるスタジオに”というビジョンで、フォトスタジオ・ホームを開業されました。（場所は、東急東横線日吉駅から徒歩5分の所です）

口コミでも広がり、障がいのあるお子さんも多く来て下さるそうですが、「その子がどういう時に喜んでくれて、良い表情をするのだろうというのは、すぐに掴めないこともあります。しかし、そんな時こそ、親御さんや本人と沢山コミュニケーションを取ることで、本当に楽しんで笑ってくれることがあるんですよね」葛谷さんも自然と笑顔になってしまう瞬間です。
更に、「他の写真館で上手く撮れなかったというお子さんが、ここでは楽しそうな写真を撮ることができた時に、親御さんより、その数年後であっても『うちの宝です』と言って頂けることがあって、とても有難いなと感じています」

「そして、私たちスタッフもありのままの自分でいたい。楽しく働きたいと思っていますので、みんなの個性を大切にするスタジオでありたいと思っています」
とにかく”楽しんでほしい”が一番！カメラマンとお客様という枠を超えて、みんなで【チームHome】となり、撮影を進めていく仲間になってもらっているということ。
「私も素の自分で接していますので、家のように、家族のように、まさにHomeと思ってもらいたいです」

●Photostudio-Home（フォトスタジオ・ホーム）の詳細はこちらから！
スタジオは、1日2組の完全予約制ですので、ゆっくり撮影を楽しんでいただけます
※現在のご予約は7月以降となっています

【私の笑顔、届けよう！プロジェクト】
障がい児とその親御さん、約30組の笑顔の写真を集めました！
9/17～23日 富士フォトギャラリー銀座にて、写真展《life～笑顔のカケラ》を開催予定。
「この写真展で伝えたいことは、一人一人にある命のきらめきを見ていただきたいです」
「私自身、病気をして死を意識した時に、自分の命が黄緑色に光っているように感じました。一人一人に、この命の輝きがあって、命が一番輝く時、それが”笑顔”だと思います」
「障がい児の子育ては、障がいに対する世間の理解を得られなかったり、生まれた時に、生きられるかどうかという状態の方もいて、大変だったと思います。それを親子で乗り越えていますから、強い絆が笑顔に出るのです。苦労を乗り越えた親子の笑顔を見て、今例えば子育てで悩んでいる方が、『私も大丈夫。笑える！』と思ってほしい。それから、障がいって大変と思われている方も多いですよね。ちょっと立ち止まって考えてもらえる機会になってくれたら嬉しいです。
是非、遊びに来てください！」

今後について。
「障がい者と健常者をつなぐ、新聞の発行をしたいです。只今、構想中です」
「もう一つは、障がい者団体への出張撮影イベントを考えていて、例えばお子様ポートレート撮影会など。『やってもいいよ～』という団体様がいらっしゃいましたら、是非声を掛けてください！！」

◆なでしこの素◆
＜商売道具＞大切な相棒を連れてきて下さいました！
明るく元気になるようなストラップも素敵です！！