ファンケル ヨコハマなでしこ - Fm yokohama 84.7

作家「佐藤いつ子さん」

こんにちは!半田あいです。

ファンケル ヨコハマなでしこ、今回は作家の佐藤いつ子さんにお越しいただきました。

佐藤さんは2015年KADOKAWAより、『駅伝ランナー』でデビュー。走るのが好きという気持ちにおいては誰にも負けないという少年ランナーの物語で、横浜の磯子区駅伝がモチーフにもなっています。全3巻のシリーズ作品は、佐藤さんの母校である青山学院大学陸上部の原監督からも、「駅伝の素晴らしさをストレートに伝えてくれた作品だ。」と推薦もされました。そして、平成28年度の神奈川県優良図書に選ばれたり、多くの参考書や入試問題にも引用されているのです。

本は読んでいたが、文学少女というほどではなかったという佐藤さん。ただ、幼い頃から空想するのは好きだったそうで、小学3年生の時には、クラスメイトを登場させた探偵物語を書き、終わりの会で朗読していたということもあったそうです。

大学卒業後、IT関連メーカーで営業として17年間勤務されますが、”好きなことを仕事にする“ことに強い憧れがあり、結婚•出産を経て、お子さんに本の読み聞かせをしているうちに、「書きたい!」という気持ちがむくむくと湧いてきたそうです。そして、上のお子さんが小学校に上がった時に「作家になるぞ!」と一大決心をして、会社を退職されます。

カルチャーセンターの童話講座受講後、同人活動を。日産童話と絵本のグランプリで、佳作3回•優秀賞1回受賞されます。そして、同人誌に掲載された短編の『駅伝ランナー』が編集者の目に留まり、デビューへと至りました。

そして、待望の2作目となる新刊が、今年3月に出された『キャプテンマークと銭湯と』。

主人公は、サッカーのクラブチームに通う少年。本の帯に「なんで、俺じゃなくてあいつなんだよ」とあるのですが、少年が務めていたキャプテンの座を、強豪クラブチームから移ってきた別の少年にあっさり奪われてしまう所から、物語が始まります。若者と銭湯がどうリンクしてくるのか?!どんどん読み進められ、最後は予想外の展開も待っていたりもし、読了した時には心温まる感情を抱きました。サッカー少年達のストレートな心理と、失われる日本の風景がマッチした青春小説です。是非大人の方まで手に取っていただきたいです!表紙イラストは(デビュー作から引き続き)あさのあつこさんの『バッテリー』のイラストと同じく佐藤真紀子さんによるものです。

まずは「10冊出すまでは頑張るぞ!」と佐藤さん。新たな作品の誕生を楽しみにしています。

◆なでしこの素◆

佐藤さんの人生そのもの。全てを注ぎ込んだという、大切な大切なデビュー作『駅伝ランナー』

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