God Bless Saturday - Fm yokohama

【ゲストコーナー】松浦治美

2020年9月以来のゴブサタです!

かながわ海岸美化財団の代表理事を務める、松浦治美さんをお迎えしました!

かながわ海岸美化財団は

公益財団法人かながわ海岸美化財団は、横須賀市走水海岸から

湯河原町湯河原海岸までのおよそ150キロメートルの自然海岸の美化を目的として、

1991年41日に設立されました。

150kmの海岸清掃のほか、講演やパネル展示等による美化啓発、

海岸清掃ボランティアへの支援などを行う、日本で唯一の海岸美化専門の団体です。

以前、ゴブサタに出演したのが去年の9月で、

この8か月の間で神奈川の海岸に変化はありましたか?

 

例年は台風の襲来によって、海岸は大量の漂着ごみでいっぱいになりますが、

昨年は、日本に台風の上陸がなかったので、秋以降、漂着ごみも少なく、

細かい清掃や普段は手の回らない海岸の清掃ができたので、かながわの海岸は

とてもきれいな状態が続きました。

Q.大型の台風1回で、どのくらいのゴミが漂着すると思いますか?

A.大型の台風1回で漂着したごみは、200トンから300トン。

 2トンダンプで回収すると、200台から300台です。

 昨年は、こうした大量のごみの漂着はありませんでした。

 でも、これはごみが減ったわけではありません。

 神奈川の海岸のごみは、7割が山や街のごみが雨や風によって川に落ち、

 川を通って海に流れ出て、風や波で海岸に打ち寄せられるので、

 昨年は台風の大雨がなかったために、ごみが街や河原にとどまっていたというだけなのです。

 今年の2月、3月、4月と低気圧の影響で、何回か大雨が降りましたが、

 そこでこうしたごみが一気に海に流れ出て、小型の台風並みの大量のごみが漂着しました。

 また、2月に、藤沢市の片瀬東浜では、強風で砂が飛ばされて、砂の中から大量の

 釘が出てきました。これは、過去の夏の海の家の解体のときのものと思われます。

 裸足で歩くこともある海岸に釘はとても危険です。ハンドマグネットを使って、

 大量の釘を回収しました。

Q.海岸の清掃を始めて、ゴミの量や内容に変化はありますか?

A.私たちが回収するごみは、ほぼ2000トンで毎年大きく変わることがありません。

 ごみの量はほとんど変わりませんが、内容は変わってきています。

 ごみの中で、木くずなどの自然のごみを除いた人工ごみの内訳をみると、

 財団ができた当初は、人工ごみの中でプラスチックごみが占める割合は、

 およそ4割でしたが、最近では6割近くまで増えてきています。

 これは、私たちの暮らしの中で、プラスチックの容器や包装、プラスチック製品が

 増えてきたことが影響していると思います。

 今は、新型コロナウィルスのために、テイクアウトのためのプラスチック容器の

 利用が増えていますが、ポイ捨てしないで、決められたルールを守って捨ててほしいですね。

Q.海岸や天気によって、打ちあがるゴミには量や内容などの変化はありますか?

A.台風など大雨が降ると、川から海に流れ出た大量のごみが漂着しますが、

 天候だけでなく、季節によっても、ごみの量は変わります。

 鎌倉、藤沢、茅ヶ崎など、相模湾に面した海岸は南に向いているので、季節風の影響で

 南風が吹く、春から秋にかけてごみが打ち上げられますが、冬は北風が吹くので、

 あまりごみの漂着はありません。

 一方で、横須賀市の走水海岸や観音崎は北を向いているので、夏はあまりごみの

 漂着はありませんが、北風の吹く冬にたくさんのごみが打ち上げられます。

Q.昨年9月のゴブサタ出演から今年にかけて、松浦さんが

 ビーチクリーンを行っていて印象深い出来事はありましたか?

 

A.昨年9月に大磯町の照ヶ﨑海岸に、「ワッズ」が大量に漂着しました。

 「ワッズ」ってなんだかご存知ですか? 散弾銃の薬莢の中の部品です。

 薬莢は拾うことができますが、ワッズは、弾と一緒に飛んでいくので回収できないそうです。

 丹沢などで狩猟が行われて、山の中に落ちたワッズが、雨が降ると川を伝って海まで流れて、

 海岸に漂着したもので、海岸のごみがはるか彼方の山から、川を通じて

 流れてくることを象徴するごみのひとつです。

 また、大雨の後で、海岸でカメを見つけることもあります。

 カメと言ってもウミガメではなく、淡水性のミドリガメです。ペットショップで

 売られていますが、家で飼われていたものが川に捨てられて、川原で生息していたものが、

 大雨で海まで流されてきたのだと思います。

 本来の生息場所でないところに流されたカメは可哀そうです。

 ペットを飼ったら、責任をもって、最後まで面倒を見てほしいです。

Q.これからのシーズンで困るゴミや、リスナーの皆さんに気を付けてほしい行動を教えてください。

A.ゴールデンウィークから増えてきているのが、バーベキューのごみです。

 バーベキューのごみは、残った炭、食材だけでなく、網やコンロなどの機材も

 そのまま捨てられていることが多いのです。機材が安く手に入るので、

 簡単に捨てられてしまうのですね。

 バーベキューごみは食材などの生ごみが入っているので、

 カラスなどがつついて海岸に散乱して、回収は本当に大変です。

 バーベキューをしたら、ごみは持ち帰りをお願いします。

 持って帰るのは面倒という方は、機材のレンタルなどを利用して、

 海岸にごみを残さないようにしていただきたいです。

これからの季節、海に遊びに行く機会が増えると思いますが、

絶対にごみは持ち帰るようにお願いします!

ビーチクリーンをしたいという方、美化財団にお電話ください。

ごみ袋と軍手をお送りします。拾ったごみは美化財団の職員がパトロールのときに回収します。

ごみの置き場所の地図をごみ袋と一緒にお送りします。すべて無料です。

私たちのきれいな海を守るために、できることから始めましょう!

 

その他詳しい情報は、「かながわ海岸美化財団」のホームページを

チェックしてください。

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