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YES! For You 今回のテーマ「ゼロエネルギー空調」

毎月、第一・第二月曜日は「YES! for you」。
「Zero Carbon Yokohama」をゴールに、
SDGs未来都市 横浜から その今を、発信していきます。

今週は、横浜高速鉄道株式会社 運輸部施設課 千葉直義さんが登場!!



横浜高速鉄道株式会社 運輸部施設課 千葉直義です。
横浜高速鉄道株式会社と聞いても、中々イメージ出来ないと思いますが、
「みなとみらい線」と言った方が分かりやすいですよね。

はい、千葉さんよろしくお願いします。
千葉さんは「みなとみらい線」でどのお仕事をされているんですか?
みなとみらい線は、横浜都心部にお客様をお運びする、地下鉄路線で、
私は鉄道施設の保守、運用に係る、管理を担当しています。
具体的には、施設の検査修繕や設備更新を通して、みなとみらい線の日々の安全、安定運行を支え
快適な輸送サービスの提供に努めています。

毎日ありがとうございます。
その「みなとみらい線」の馬車道駅で、
すごい実証実験を進めているとお聞きしました。
はい。弊社では、環境省より採択された、CO2、排出削減対策強化、
誘導型技術開発・実証事業の中で、再生可能エネルギーの技術開発を、馬車道駅で進めています。
馬車道駅では、現在使用している冷房消費エネルギーを再生可能エネルギーに代えることで、
ゼロにすることを目標に様々な実証実験に取り組んでいます。
地下駅の冷房消費エネルギーは、広い空間の中で外気や車両冷房排熱の流入により、
大きくなり、温熱環境の改善が課題となっています。
この課題解決を目指す取組みとして、
再生可能エネルギーとデジタルテクノロジーの活用を キーワードに、
地下駅の新たな冷房システムの開発に挑戦しています。



再生可能エネルギーの資源としては、駅構内に発生する地下湧水と、列車風を考えています。
始めに地下湧水です。
地下湧水は、現在駅構内の湧水槽に貯めて下水道に放流していますが、
この湧水は地中熱を介して通年温度が一定であるため、
駅構内の冷房熱源として有効利用することを考えています。
地下湧水が利用できれば現在の地域冷房からの冷水需給が不要になるかもしれません。
次に、列車風です。
列車風とは列車が駅往来の都度、引き起こす風のことを言います。
ホームの冷房はこの列車風を、有効利用することを考えています。
その他、回生電力と言いまして、列車の減速ブレーキによって生み出される電力を
有効利用することを将来的に、目指していきたいと考えています。
「みなとみらい線」の駅のホームに立つたびに
そんなことが行われているんだ!と思い出しそうなお話ですね!
はい。



もう一つのキーワード、デジタルテクノロジーはどういうことですか?
はい。 再生可能エネルギーの他、駅構内にいらっしゃる、お客様の密度分布や、
温熱環境の計測により、冷房運転箇所や、外気導入量を調節して冷房消費エネルギーを削減します。
また、AIによる駅構内環境の予測により、
高度な自動制御を用いて適時適所の冷房運転を行うシステムを作っています。
本事業は、2019年度に、環境省が進める事業に応募し、採択を受けてから本格的に着手しました。
2021年度までの、3ヶ年の事業となりますが、
2019年度は、駅構内の環境や、設備の調査から、実証設備の設計までを実施しました。
2020年度は、実証設備の開発・試作や、施工検証により、冷房性能や安全性を確認し、
2021年夏の、本格的な実証実験に向けて、実証設備の構築を、進めているところです。
また、本事業では、横浜国立大学と、神戸大学からの専門的な知見による助言をいただきながら
共同事業で進めています。
さらに多くの民間企業からも、協力を得ています。
最後に、実証場所となる馬車道駅は明治時代に起きた文明開化の象徴的な場所です。
この馬車道の地で、再生可能エネルギーとデジタルテクノロジーを活用した
『ゼロエネルギーステーション』の実現というイノベーションに、私たちは挑戦しています.




みなとみらい線
みなとみらい線 | 横浜高速鉄道株式会社 (mm21railway.co.jp)







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