
毎週月曜日は「YES! for you」。
「Zero Carbon Yokohama」をゴールに、
SDGs未来都市 横浜から その今を、発信していきます。
今週は、
横浜市温暖化対策統括本部 本部長 薬師寺えり子さん が登場!!
横浜市温暖化対策統括本部は、横浜市全体の温暖化対策の計画づくりや
市役所の関係部署が行っているさまざまな温暖化対策事業の調整や取りまとめを行っています。
今日は先日開催されたCOP25についてお話します。
はじめにCOPについて少し説明させてください。
COPは気候変動枠組み条約に参加している国々が出席する会議で、
今回が第25回スペインのマドリードで開催され、私も参加してきました。
COP本体は、政府の関係者が出席する会議ですが、
気候変動は政府だけが取り組む課題というよりも、地方自治体や企業
それからNGO、NPOといた多くの団体、総称して非政府アクターと言うのですが、
非政府アクターが果たす役割がとても重要になっています。
ですからCOPは政府だけでなく気候変動の問題に関わる全ての関係者が集まる
世界最大規模の会議と言っていいと思います。
今回は、日本政府が設置したジャパンパビリオンで、日本からは横浜の東京都や長野県京都市など
海外ではドイツのボン市やフィンランドのトゥルク市、
それから世界自然保護基金パンダマークのWWFと言ったほうがわかりやすいでしょうか。
それからC40という環境先進都市の世界的なネットワークなのですが、
2050年の脱炭素化を目指した挑戦について、お互いの取り組みを発表したり、意見交換をしました。
今、横浜市が挑戦している事の一つが、再生可能エネルギーです。
脱炭素かを実現するためには、再生可能エネルギーへの転換を進めることが重要ですが、
横浜のような大都市は、市内で生産できる再生可能エネルギー、主に太陽光になると思いますが、
限りがあります。市内に可能な限り太陽光パネルを設置しても消費量の1割程度しかまかなえない、
という試算もあります。ですから横浜市は今年の2月に豊富なサイエネの生産可能な東北の12市町村と
連携協定を結んで、東北の再生可能エネルギーを横浜に供給してもらうための検討を行ってました。
早速9月には、第1弾として青森県横浜町の風力発電が市内の6つの事業所に供給開始されました。
余談になりますが、供給開始にあたって横浜町で記者会見を行うことになりまして、
横浜市だけでなく、今回電力購入の契約をしていただいた事業所の方々も記者会見に同席してくださいました。
この会見で横浜町の野坂町長さんが、これをご縁に町の中学生の修学旅行先に横浜を加えるから
代わりに特産のホタテを使ってもらえないだろうかとおっしゃったんです。
そうしましたら同席していた戸塚の大川印刷さんが、
うちは有名な崎陽軒のシウマイ弁当の包装紙の印刷をしていますが、崎陽軒のシウマイはホタテを
使っています。崎陽軒に話してみますよと応じてくださいました。
続いて日本郵船の氷川丸の船長さんが横浜町の中学生の皆さんが修学旅行で横浜においでの際は、
ぜひ氷川丸を見に来てくださいとご挨拶されて会場が大いに盛り上がりました。
山下公園の前に係留されている氷川丸でも横浜町の風力発電が使われています。
再生可能エネルギーをきっかけに今後色々なご縁が広がると、素晴らしいと思っています。
ほかにも今回のCOPでは横浜のブルーカーボン事業をご紹介しました。
森林が吸収するCO2をグリーンカーボンと言うのに対して、
昆布やわかめなどの海藻が吸収するCO2をブルーカーボンと言います。
今吸収源としてのブルーカーボンに関心が高まっていて、
今回のCOPはブルーCOPとも言われていたようです。
これまで海藻が吸収するCO2の量を計算するのが難しかったのですが、
横浜市は専門家にアドバイスを頂きながら日本で初めて昆布やわかめ、
海藻の一種ですがアマモによるCO2吸収量を計算してクレジット化しました。
このクレジットの一部は磯子の日清オイリオ様やJXTGの根岸製油所様にご購入いただいています。
海に囲まれた日本にとってブルーカーボンは貴重なCO2吸収源です。
今年の6月から国による検討会も始まりましたが、
横浜市はブルーカーボンに関心のある全国の自治体によび掛けて協議会をスタートさせたところです。
ブルーカーボンの取り組みをもっと盛り上げていきたいと思いますし、
ブルーカーボンをきっかけに色々なご縁が広がるといいなと思っています。
こういった地方自治体ならではの取り組みをCOPでは発信してきました。
と、お話してくださいました。