E-ne! ~good for you~ - Fm yokohama 84.7

YES! For You 今回のテーマ「適応策」

毎週月曜日は「YES! for you」。
「Zero Carbon Yokohama」をゴールに、
SDGs未来都市 横浜から その今を、発信していきます。

今週は、
横浜市立大学 医学部 健康社会医学ユニット 医学博士 の 齋藤京子さん が登場!!



横浜市立大学 医学部 健康社会医学ユニットの齋藤と申します。
食生活習慣からくるさまざまな病気の予防、また最近では介護にならないための予防活動をしております。
健康社会医学ユニットとは…?
私の分野は公衆衛生学といって、一人の人の病気などをターゲットにするのではなく、
多くの方の食生活習慣や健康状態を調査し、その集団におけるさまざまな健康の問題に取り組んでおります。
例えば高血圧が多い地域では、高血圧にならないための対策を、国や県、市町村、自治体、企業と一緒に
取り組んで参りたいと思っています。
また太らない食事や高齢期の食事の仕方、運動の取り組み方、お酒の飲み方や、睡眠にいたるまで様々な
テーマで、できるだけ多くの人に科学的な根拠に基づく健康情報や予防法をお届けしようと思っております。



今回は「熱中症」についてなのですが、
熱中症はここ数年、特に取りざたされているような気がするのですが…
はい。熱中症は昔からございます。ただ特にここ10年ほどで随分、有名になった言葉です。
実際に消防庁の救急搬送の調査を見てみますと、例えば昨年の5月から9月までの全国の熱中症による
救急搬送者は9万5千人以上になっております。ここ20年ほどの調査では昨年が一番、熱中症の救急搬送が
多くなっています。実際、2010年頃から熱中症で救急搬送される方が多くなってきております。
2010年以降、6月から9月までで気温が高い日や、異常に高い気温の日があると熱中症になる方が
多くなる傾向があります。実際、横浜の真夏日や熱帯夜は少しずつではありますが、多くなっています。
横浜の気温も100年で1.8度上昇しております。今後も横浜は気温が高くなるであろうと気象庁が
予測しております。横浜は、将来的には今より3℃も気温が上がるのではないかと言われております。
ええ!?京子先生、今でも十分暑いのにここから3℃となると色々と心配事が出てきますよね。
そうなんです。かなり大変なんですよ。
これは横浜の土地柄も関係しているのですか?
横浜は海風が入ってきて、気温が下がる、熱帯夜は少ないという風に思っている方も多いかと思いますが、
まだまだ油断はならない状況です。よく関東では埼玉の熊谷や群馬の館林が暑くなることで有名ですけれども、
横浜は関係ないと思う方も多いかもしれませんが、横浜も確実に暑くなっています。
すでに今年の横浜は5月から真夏日が数日ございまして、過去数年を見ても横浜で5月の真夏日の観測は
今までなかったかと思います。ですから今年の5月は横浜でも熱中症の搬送がすでに出ており、
特に真夏日に熱中症で緊急搬送された方が多くなっております。




では先生、知っているようで意外に分かっていない、
熱中症がどういう症状なのかも
教えてください。
熱中症の症状ですが、まず体温が上がる、めまい、体のだるさ、ズキンズキンとする頭痛、吐き気というものが
あります。また汗をかかない、体がほてっている、さわると暑いというのも熱中症の場合があります。
あと、足がつる、いわゆる、こむら返りを起こしているときも熱中症になりはじめている可能性が高いです。
これは足だけでなく、手などもつってしまっている時、また普段足がつらない人がつってしまったら
要注意だと思っていただいた方がよろしいです。
もし熱中症ぽいと思った時は、涼しい場所に移動、水分をとるようにしてください。
少し酷い場合は、手足の付け根、脇の下や首などを冷やすようにしてください。
もし、症状が改善しない場合は、無理をせずに医療機関にすぐにかかった方がよいかと思います。
あと、まっすぐ歩けない、意識がない、けいれんしている場合は、ただちに医療機関に受診してください。
特に小さなお子さんや年齢が高い方は、熱中症になりやすいです。年齢の高い方は、暑さを感じない、
喉が渇きづらいという方も多くなるので、余計に熱中症になりやすいです。
お子さんたちは、まだ体温調整のつくり方が未熟ですので、すぐ全身が暑くなりやすいため、
やはり熱中症にかかりやすいです。特に身長が低いお子さんは、炎天下にいると大人より
照り返しがじかに来てしまいますので、大人が暑いと感じている時は、子どもはさらに暑いと思ってください。
そうか!大地と近いから…
そうなんです。大人が暑いと思うよりも、子どもの方が暑く感じてしまいますので、できるだけお子さんは
気を付けて歩いてもらいたいと思っております。あと、熱中症というと、暑い日にかかるイメージが
ございますけれども、実はお家の中にいても熱中症になる方がかなり多いんです。
お家にいれば安心とは思わずに、お家の中にいても熱中症対策は必要です。
あと、急に気温があがる日も熱中症で倒れる方が多いので、注意が必要になっております。








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