E-ne! ~good for you~ - Fm yokohama 84.7

YES! For You 今回のテーマ「温暖化の実感」

毎週月曜日は「YES! for you」。
環境未来都市・横浜から「素敵な生活」を実現するためのヒントを発信していきます。

今週は、
NPO法人森ノオト理事長 北原まどかさん が登場!!



「地球温暖化の実感」
について、お話を伺います。


森ノオトは、横浜市青葉区を拠点に、主に子育て世代の女性を中心に、
暮らしの情報をエコ目線で編集して発信するローカルメディア事業と、
地産地消や花と緑のまちづくり、子育て支援、アップサイクルの布雑貨づくりなど、
「エコまちづくり」をおこなっている団体です。
私はプライベートでは小学校4年生と4歳の女の子の母親で、現在大学院で、
メディアとジャーナリズムについて勉強もしております。

森ノオトは、この1・2年は、ローカルメディアの情報発信のあり方について、
考える勉強会や地産地消の料理講座やマルシェ、AppliQuéという寄付布を集めて、
布雑貨をつくるブランドの展開を通して、布の3Rについての普及啓発をおこなう活動、
青葉区で初めて子育てをする方向けの子育てツアー、青葉区の多世代が花と緑を通してふれあい、
まちづくりについて語り合う地域交流事業などをおこなっています。

やわらかく軽やかなアプローチで、エコロジーな暮らしに関心を持つ人の裾野を広げようと、
地球温暖化問題や、環境問題をダイレクトに扱う講座事業などは、ここ数年少し数が
控えめになっていたんですけど、今年の異常気象や酷暑によって、環境問題に関心を持つ人が
増えてきているのを実感しておりまして、もう少しこの分野でしっかりと発信しなければな、
と改めて感じている次第です。


森ノオトでは、子育て中のお母さんたちの座談会なども行っているのですが、
特に今年の夏は、「暑すぎてこどもを外で遊ばせることに危険を感じた」という声であったり、
「蚊が多くて紫外線も強いので、夏は外で、あんまり遊ばせたくないな」という声を
よく聞くようになりました。森ノオトでは「森のようちえん」的に、野外遊びを重視する保育園や、
青空教育の団体さんとも親しいので、保育者が外で遊ぶことに対して、覚悟をもって
向き合っているのを聞くこともあります。
例えば、私の下の娘が通うような一般の保育園ですと、先生方は外遊びと猛暑について日々、
判断に迫られている様子で、こどもを思い切り遊ばせたいけど、熱中症の心配や
脱水症状に気を付けようなど、たぶんこれまでには、あまり無かったようなリスク対策というのを
しているように思います。また大型の台風とか、豪雨のような気象災害から、突然ゲリラ豪雨なども
襲ってくるものなので、こどもたちを守るためにどうすればいいのかという事に対して、
皆さん真剣に悩んでいる様子がうかがえます。



今年は、小学校、中学校、大学で、それぞれ環境教育や情報発信という関係を結び付けた形で
授業を持ったのですが、今年起こっている様々な異常気象と、地球温暖化は、
実は無関係ではないんだよ、と話すと、子どもたちはとても驚いた顔をします。

例えば、環境省が出している動画で、「2100年 未来の天気予報」という物がありますが、
そこでは「今日の最高気温は東京では44度です」などと天気キャスターが話しています。
その話をすると、それって、なんとなく今年のことを考えると「まあちょっとわかるなぁ」
という表情をしているのが印象的でした。そして、今年は特に、全国各地で40度を超す猛暑を
記録していて、それが毎日の様に、ニュースになっていたので、こどもたちも実感があるのかな、
と思います。

また今後、東京では、2100年は真夏日が、一年のうち3分の1が真夏日になってしまう、
そういう状況を考えると、毎日とってもしんどいのではないのかなと思いまして、
わたしはよく、気温と体温を比べて、話をします。
平熱が36.5度の人が2度あがったら38.5度。確実に、学校も仕事も休むレベルです。
それがプラス4度になったしまうと、40.5度だと救急車レベルです。そして、それが6.4度あがると、
43度なので、これはもう命の危機という状況だと思います。今年の横浜は体温にして
38.5度レベルのしんどさで過ごしていた、ということになりますので、そんな風に例えていくと、
こどもも、お母さんも、納得してくれるし、対策を出来るのも、自分たちの心がけ次第だな
ということにも、理解を示してもらえるという事が実感できました。



私たち、森ノオトは、2013年にNPOを設立しました。
その2013年度に私が一番やりたかった事というのは、「あおばECOアカデミー」といって、
地球温暖化問題について専門家から学ぶという連続講座などを行っていました。
これは、YESヨコハマ・エコ・スクールさんの助成を受けて行っていたのですが、
本当に子育て世代とシニア世代が一緒に学び合う土壌をつくってこられていて、
とてもいい事業だったなという風に自分でも思います。しかし、最近、間口を広げてしまって、
温暖化問題をダイレクトに扱うことが減ってきていたのですけれども、今一度、
「私たちは環境団体なんだ」ということを思い起こして、衣食住と環境のつながりを
しっかりと伝えることをしていきたいと改めて思っております。

今は、神奈川県内のローカルメディアの研究会とか、ライター育成にも力を入れています。
イベント情報とか、ショッピング情報だけでなくて、暮らしに関わるさまざまな社会課題。
温暖化やエネルギー問題もそうですし、それからこどもの貧困や男女共同参画といった
幅広いテーマとの関わりを、暮らしから見つめて、地域に影響力を及ぼしていける、
人に行動を促すことが出来るような発信者を増やしたいと思っています。

私は今「SDGs」というキーワードに注目しています。
これは、国連の持続可能な開発目標の略称です。グローバルな課題に一見思われるSDGs。
貧困をなくそう、飢餓を無くそう、そういう様なものは一見、今の私たちの豊かな暮らしからは、
無関係に見えるかもしれませんが、実は、その根底にはあらゆる事が繋がっていて、
そういう社会課題を一つ一つ見つけていける目を持てると、接点を色々な形で地域の中で
繋げていったり、みんなで力を合わせるという事の繋ぎめになる発信者が増えていくのでは
ないかなと思っています。なので、SDGsをキチンと伝えていけるライター、その視点を
持っていけるような発信者を増やすという事もしっかりとやっていきたいなと思っております。




…とお話してくださいました。











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