K's Cinema Review - Fm yokohama 84.7

「シアター・プノンペン」

今日は7月2日から公開がはじまる「シアター・プノンペン」をご紹介しました。

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「シアター・プノンペン」

©2014 HANUMAN CO., LTD/パンドラ配給

7月2日(土)より岩波ホールにて公開 以後全国順次公開予定

1975年からカンボジアを呑み込んだ暗黒の3年8ヶ月20日。

クメール・ルージュの圧政により、カンボジア国民の4分の1の

人命が失われました。『シアター・プノンペン』は

そんな悲劇の時代を潜り抜けた1本の恋愛映画を巡って繰り広げられる、

壮大なヒューマン・ドラマです。

世界を揺るがせたクメール・ルージュの時代。

その時代を懸命に生きた人々の

半世紀近くにも及ぶ数奇な運命がこの映画では明らかになっていきます。

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カンボジアの首都プノンペン。

女子大生のソポンが廃墟のような映画館で見た古い恋愛映画。

何とその主演女優は自分のお母さんでした。

映画の最終シーンが失われていることを知ったソポンは、

今は病床に伏せる母の為に、映画を完成させようと決心します。

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この作品のソト・クォーリーカー監督は、カンボジア映画史上初の女性監督。

アンジェリーナ・ジョリー主演『トゥームレイダー』(01)の

ラインプロデューサーを務めるなど、ハリウッドで活躍した人物。

そしてこの『シアター・プノンペン』は

第27回東京国際映画祭国際交流基金アジアセンター特別賞を

始めとする、数々の賞を受賞。国際交流基金アジアセンターと

東京国際映画祭の共同プロジェクトによるオムニバス映画「アジア三面鏡」でも

行定監督らとともにオムニバスをつくる監督の一人に選ばれています。

将来が期待されている女流監督です。

 

主人公のソポンを演じるのはカンボジア期待の新鋭女優、マー・リネット。

母親役はカンボジア映画界の大御所ディ・サヴェット。

クメール・ルージュ時代を生き延びたカンボジア唯一の女優だそうです。

この作品のすごいところは、ロケ地はすべてが本物。

ポルポト時代のポイントになる場所で撮った、というところ。

カンボジアの新しい未来を切り開くために乗り越えなければならない歴史、

それを今、世界中に知ってもらわなければいけない、という

監督の思いが伝わってくる気がします。

公開は、7月2日、東京の岩波ホールから、

8月は名古屋、大阪、9月に長野・・・という風にまわっていきます。

詳しくは公式サイトをごらんください。

 

 

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