
三菱重工パワーインダストリーpresents 明日にやさしく!
山や海、自然豊かな神奈川県で環境にやさしい活動をされている方々のインタビューをお届けしていきます。
今週は今年更新されました「神奈川県 レッドデータブック 植物編」について、神奈川県立生命の星・地球博物館 学芸部長、田中徳久さんにお話を伺いました!
箱根登山鉄道 「入生田」駅にある 「神奈川県立生命の星・地球博物館」。
博物館では、神奈川県の植物の“いま” を知るために、県内各地の植物の標本や情報を集めていらっしゃるということで、今年の3月、神奈川県としては、およそ6年ふりに『神奈川県レッドデータブック2022』として「 植物編』が更新されました。
これまで神奈川県のレッドデータブックは、1995年と2006年に刊行されていますが、これらは、博物館の調査研究事業の報告書として、刊行されたものでした。
今回の植物編では、これまでは取り上げてこなかった淡水生の大形の藻類が扱われています。
これらの藻類については、県内の網羅的な調査、現状把握がまだ十分でなく、その機会となったこと、いわゆる植物(維管束植物)でも、水辺の植物には、絶滅の危機に瀕しているものが多く、その意味では、大きな一歩になっています。
神奈川県は面積の割に、そこに生育する植物の数が比較的多いのが特徴。
2018年に出た「神奈川県植物誌2018」という本によると、3235種類の植物が分布している記録があります。
ただ、1036種は外国からやってきた帰化植物ですので、2199種がもともと神奈川県に分布していた在来の植物ということになります。
そのうち、「神奈川県植物誌2018」などにより記録の変遷などをもとに、1070種ほどを対象に、レッドデータに選定するか、ランクをどうするかを検討され、最終的には全体の36.4%800種をレッドデータ植物として選定しました。
1995年の24.6%、2006年の28.1%から、割合が多くなっています。
ここの植物の状況の変化もありますが、「神奈川県植物誌2018」の調査で、新たに記録された植物が増えたことの影響もあります。
現在、丹沢を中心とするニホンジカの過度の採食による影響があります。
場所によると、ほとんど目につく植物がなかったり、ニホンジカが食べない。
食べたがらない植物だけが、一面に広がってしまっている場所も見られます。
ニホンジカの件はさておき、やはり私たち人間側の問題が多いと思います。
住宅地の造成や各種の開発により、生育環境そのものが失われる場合や、生活様式の変化によって草原や雑木林の必要性が失われ、維持・管理されなくなり、環境が変わることで、それらの場所に生き残ってきた植物が失われています。
参考HP
神奈川県レッドデータブック植物編
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/t4i/cnt/f12655/p1197000.html
神奈川県立生命の星・地球博物館
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/t4i/cnt/f12655/p1197000.html
神奈川県立生命の星・地球博物館【公式】
@seimeinohoshiPR