
三菱重工パワーインダストリーpresents 明日にやさしく!
山や海、自然豊かな神奈川県で環境にやさしい活動をされている方々のインタビューをお届けしていきます。
先週に引き続き、相模湾のマイクロプラスチックについて、神奈川県環境科学センター調査研究部坂本広美さんにお話を伺いました!
神奈川県環境科学センター調査部がマイクロプラスチックについて、一粒一粒、色、大きさ、素材を調べたところ、浜によって、流れ着いているマイクロプラスチックの材質が違うという事も分かりました。
プラスチック製品の元となる3ミリから5ミリの白い粒、樹脂ペレットは茅ヶ崎のヘッドランド が突出して多かった。
全体に占める割合は ヘッドランド 茅ヶ崎市のみ50% を超えており、県西部と逗子・葉山町の地域 については低い傾向であった 。
樹脂ペレットは工業的な用途にほとんど限定されるため、輸送過程での積み替え等に伴う漏出やプラスチック成型事業所からの漏出 が可能性として考えられる。
この場合、内陸から河川を伝って相模湾へ運ばれると推定されるが、ペレットの材質に多い PE や PP は比重が海水よりも小さいため 、波によって運ばれる可能性があることから、河口のみならず、地形的に堆積しやすい場所に集まると推定される。
野菜栽培や水稲栽培で使われる樹脂系被覆肥料の被膜殻と推定されるマイクロプラスチックは、小田原の山王川河口のみ 50% を超えており、それ以外の地点では、小田原市の酒匂川河口、大磯町の金目川河口の大磯海水浴場、平塚市の金目川河口、茅ヶ崎市の相模川、 ヘッドランドや藤沢市の引地川、逗子市の田越川、横須賀市の松越川 、三浦市の和田長浜海水浴場、検出されている
家庭用人工芝や玄関マットなどに使われている、緑色へら状のマイクロプラスチックは突出した多量漂着はないが、比較的広範囲で検出されていることがわかった。
緑色へら状MP は人工芝から発生すると考えられ、家庭用人 工芝や玄関マット等の身近な生活用品から排出される可能性があるため、河川周辺地域の人工芝の使用実績の違いや人口密度が影響すると考えられる。
神奈川県環境科学センター調査部では現在、海に流れ出ているゴミの8割は、河川をつたって内陸からきているということで河川の水をはじめ、河川敷、雨で流れてくるという事で、路上から、その先の発生源へと調査を広げている。
また、今回の相模湾のマイクロプラスチック分布調査に使用する道具などの調達のために、クラウドファンディングを行ったが、このマイクロプラスチックに対して、関心があるということで、家族で貯めた貯金から寄付してくださったりと個人の方で寄付してくれた方もとても多かったそうです。
お話を伺った「相模湾におけるマイクロプラスチック分布調査」については、以下のリンクから見ることができます。
神奈川県環境科学センターの研究成果 マイクロプラスチック問題への取組
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/b4f/cyousakenkyu/seika/seika.html