
三菱重工パワーインダストリーpresents 明日にやさしく!
山や海、自然豊かな神奈川県で環境にやさしい活動をされている方々のインタビューをお届けしていきます。
今日は、ヨーロッパでも大人気という小田原の間伐材を使った、美しい木工食器などを制作れている株式会社ラ・ルースの広報担当 、諸石貴英さんに電話でお話を伺います!
1994年に創立されたラ・ルースは、挽き物・箱根寄木細工・木象嵌・指物など、多様な木工技術が発展してきた小田原に木工場を構え木の持つ多彩な表現を活かしたデザインで、気持ち良い暮らしを作っています。
また、小田原を中心とした間伐材を用いることで森を活性化させる等環境保全にも取り組んでいます。
また、ラ・ルースは、木に関わる仕事をしている企業として間伐が必要であるという事実を知り、間伐材の有効利用
をずっと念頭に置き商品開発を続けてきました。
現在、箱根・小田原の間伐材を有効利用する取り組みを進めています。
まず間伐材利用の取り組みのきっかけとなったのは鉛筆でした。
森林は渇水や洪水を緩和しながら、良質な水を育む機能や、土砂災害の防止、二酸化炭素の吸収・貯蔵などの機能があります。
これらの機能は、きちんとした「間伐」を行うことにより維持することができるのですが、間伐には多大の費用がかかります。
そこで、建築材としては使用することのできない間伐材を率先して使用することにより、間伐に必要な費用を賄うことができると考えました。
間伐材の有効活用は、結果的に地域の森林の整備、保全に貢献すると考えています。
「使って頂く方に環境保護に関心を持ってほしい。」
そんな思いと共に、木の温かい手触り感を感じられる商品です。
また、ラ・ルースは、小田原の森を活かす間伐材を使い世界からも注目されるブランドを作りました。
ひのきの間伐材を商品化し有効活用することが、神奈川の健全で多面的な機能を発揮する森林再生に繋がるかもしれない。
地域の林業、製材業、木工業、小売業が繋がるサイクルになることで森林や水源の保全に役立てるのではないか。そんな思いと、失われつつある小田原の木工技術の継承、職人さんの素晴らしい伝統技術を次世代の方々に受け継いで頂くためにはどうすれば良いのか、という思い。
その2点を踏まえ2014年、東京ビジネスデザインアワードに参加しました。
そこで優れたデザイナーさんとの協力により、古くから小田原で生産されていたサラダボールが時代に合わせた最新のデザインとなり、ブラッシュアップされたブランドと なりました。
2015 年には、クリスチャン・ディオール本店様やカルバン・クライン本店様でも展開しふるさと納税では小田原の特産品として掲載されました。
古くから伝わる『木地挽き』と呼ばれる「ひきよせ」という技法で作られています。
まず板を棒材にして割れや節のある材を除き、一枚の寄木の板にします。
それを断面が斜めになるように3つの輪にカットし内側の円板を底面に、外側の輪を上段に接着することで
立体の器ができます。
そのため無垢から削るのと較べて1/3の材料で済み 各段を90°回転して接着することで割れやゆがみを 抑えています。
つまり、ひきよせは材料に無駄がなく、寄木の意匠が美しい頑丈な器なのです。
3段の高さと5つの直径からなる15アイテムは ヒノキ、ウォールナットの2樹種があり30種の器が日々の食卓を豊かにします。
参考HP
株式会社 ラ・ルース
「ひきよせ」