
三菱重工パワーインダストリーpresents 明日にやさしく!
山や海、自然豊かな神奈川県で環境にやさしい活動をされている方々のインタビューをお届けしていきます。
今日は、相模湾のマイクロプラスチックについて、神奈川県環境科学センター調査研究部坂本広美さんにお話を伺いました!
神奈川県環境科学センター調査部では、神奈川県の水質や、大気、そして、海など、幅広い環境について調査をされています。
最近、海洋ごみ、中でも海洋プラスチックごみが、地球環境問題として注目されている。
その中で、微細な(大きさ 5 mm 以下)もの はマイクロプラスチックと呼ばれています。
海の魚などの生物が餌と一緒に飲み込んでしまうことから、 マイクロプラスチック自体に含有される化学物質や、海洋中で表面に吸着される PCB などの有害物質が食物連鎖に取り込まれ、生態系に影響を及ぼすことが懸念されています。
これまで行われた調査から、相模湾沿岸に漂着するマイクロ は採取した地域ごとに特徴が異なることがわかりました。
このことから、 マイクロプラスチックは内陸から河川を経由して海域に流出しているものと考えられ、その内訳は内陸の発生源(供給源)の種類や地域分布により影響を受けるものと推測されるが、その実態を解明するためには、まず沿岸に漂着したマイクロプラスチックの実態を、こ れまで以上に詳細に把握する必要があります。
しかし、多くの地点で MP の実態把握を進めるためには、マンパワーが必要ということで、今回、クラウドファンディングで資金を募るとともに、この問題に関心を寄せる一般市民の皆様の協力を得て、マイクロプラスチック分布調査を行うことにされました。
調査に参加してくださったみなさんには、砂浜のどの地点で、どのくらい範囲でマイクロプラスチックを採取して欲しいかをレクチャーし、17の団体が参加して、27もの地点でマイクロプラスチックを採取。
範囲は、相模湾に面した湯河原町の門川から、東京湾に面した横須賀市 久里浜海岸まで。
比較すると、地域によって漂着数が異なっており、 特に近傍に河川のない 茅ヶ崎の ヘッドランドが多かった。
この理由としては地形による影響が考えられます。
茅ヶ崎の ヘッドランドは T 字の 突起を持つ 形状であり、潮の流れ が 反時計回りに回る 相模湾においては 、海中に漂う マイクロプラスチックが多量に漂着しやすい環境と考えられる。
したがって、今回の結果より マイクロプラスチックの漂着量には、河川由来のほかに 、 地形 が影響している可能性があることが判明しました。
神奈川県環境科学センターの研究成果 マイクロプラスチック問題への取組
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/b4f/cyousakenkyu/seika/seika.html