今週は、車の様々な“語源”にまつわるお話をご紹介したいと思います。
車の助手席にある、グローブボックス。
現在では、車検証などを入れている方も多いですよね。
普段、そこに手袋なんてあまり入れないのに、なぜこんな名前が
ついているのでしょうか?
これはあくまでも一説ですが、
以前は「グローブボックス」と言う名前の通り、
手袋を入れておくためのものだったといいます。
その昔、セルモーターがなかった頃、エンジンは手動で始動させていました。
エンジンの前方にあるバーのようなものを力一杯回すことで始動させたので、
かなりの力仕事だったそうです。
その作業をするための手袋をしまっておくための場所が、
グローブボックスだったというわけです。
また、昔の車は故障が多く、
修理を必要とする場面も多くあったためだとも言われています。
車のマフラーは、なぜ「襟巻き」を意味するマフラーと同じ言葉が
使われているのでしょうか?
そもそもマフラーは、排気ガスが膨張するときに鳴る
爆発音を抑えるための役割があります。
英語で“muffler”といえば、「音・声などを消す、鈍くする」といった意味や、
「包む・覆う」といった意味があるので、
そこから消音器としての「マフラー」に繋がっていったと言われています。
ちなみに英語圏では・・・
襟巻きのマフラーのことは一般的に“scarf”を使い、
一方車のマフラーは、そのまま、“muffler”。
もしくは、“silencer”を使うこともあります。
車には様々なタイプのドアがあります。
通常の車ですと、車を正面から見た時に、真横に水平に開きますよね。
もしくは、ワゴン車などのように、スライドするドアなどもあるかと思います。
ところが、スポーツカーなどには、
正面から見た時に縦に開くようなドアがあります。
例えば、「シザードア」。
名前の通り、ハサミを縦に開いた時のように、地面から垂直に開きます。
正面から見ると、手をまっすぐバンザイした時のように見えるのが特徴です。
その他にも、外側斜め方向に開き、前から見るとドア側面が蝶の羽のように見える
「バタフライドア」というのもあります。
さらに、一旦ドアが外に開いた後、上下方向にドアが回転して開く、
「ディヘドラル・シンクロ・へリックス・アクチュエーション・ドア」という、
なが〜い名前のドアもあります!
実はこのドアは、別名「ラプタードア」とも言われているのですが・・・
さて、ここで今日のクイズです。
「ラプタードア」の名前の由来となったものは次のうちどれでしょうか?
1:甲殻類
2:霊長類
3:猛禽類
正解は・・・
3:猛禽類
「ラプタードア」の“raptor“とは、猛禽類という意味で、
その名の通り、ドアが開いた状態がフクロウなどの鳥が
翼をたたんでいる時のようにも見えます。
このドアは、スウェーデンのカーメーカーが採用していて、
一旦ドアが外に開いた後、上下方向にドアが90度回転して開く作りになっています。
開いたときに、ドアミラーが、ちょうど真上を写すような角度になります。
ちなみに、有名な「ガルウィングドア」も、
カモメの翼を意味する=gull wingから連想されています。
シザードアと同じく、ドアが上に向かって開きますが、
前から見るとカモメが翼を開いて飛んでいるときのような
シルエットになるのが特徴です。
ということで今日は、車にまつわる様々な語源をご紹介しました。